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The Japan Welding Engineering Society

  

   

▼No.

Q01-01-28

 

▼小分類

溶接コスト計画

 

▼キーワード

溶接コスト算出

 

 溶接技術教育シート
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溶接コストを算出する方法に関して,溶接コストはどのような費目で構成されていますか。また,コスト算出のための計算式を教えて下さい。

  

  

溶接コストを算出する方法には,一般的に溶接工程における投入量として,溶接設備,溶接材料および溶接労働力を金額で表示して単位継手長当たりの金額を求めることがよく行われる。また,測定の対象は単純化した平板で構成される突合せ継手とすみ肉継手とするのが普通である。

表1には溶接コストの費目と計算式の例を示す。費目は溶接機使用費,溶接材料費および労務費に大区分され,それぞれ小区分に分けて表中の計算式にて算出する。ここで対象となる溶接法を決めて,この算定方式に従って計算するに当たり,各費目ごとに発生する費用と年間溶接長,年間施工時間を決める必要がある。

発生する費用は,例えば実際にそれぞれの設備,材料を購入するときの価格等を取ればよい。年間溶接長,年間施工時間は次の(1)式,(2)式で表され,各溶接機の能率,稼動率,そしてアークタイム率に関係する。

 

WLEfTYPR

(1)

 

ここで,

WL

:年間溶接長(m/year)

Ef

:接合速度能力(m/hr・man・machine)

TY

:年間就業時間(hr/year)

P

:溶接設備の稼動率(%)

R

:アークタイム率(%)

また,

 

年間施工時間(hr/year)TYP

(2)

 

接合速度能力(Ef)は「ある溶接法により,単位人員数と設備台数を投入して単位時間に溶接継手の表裏を溶接し得る,その継手の長さ」と定義され,溶接の労働生産性あるいは設備生産性の1つの指数といえる。

溶接設備の稼動率(P)は,年間の就業時間から修理,保全,予備などのために使用されない時間を差し引いて,実際に使用される時間比率で表したものである。実際の生産ラインでのアークタイム率の計測は溶接作業者中心に計測されることが多いため,設備生産性が評価されなくなるので稼動率の概念を入れている。

アークタイム率(R)は,生産ラインの溶接設備あるいは作業に従事している溶接作業者のアークタイム率である。従ってPRは年間を通しての真のアークタイム率といえる。大型溶接設備の生産性を検討する場合に,とくに被覆アーク溶接との比較においてはPRとを区別して検討する方が問題を正確に把握できる。

このほか,減価償却額は取得価格,耐用年数,残存価格ならびに償却方法によって決まってくる。溶接機の場合,一般的には耐用年数が15年,残存価格が取得価格の10%である。償却方法は定額法と定率法などがあり,償却額はそれぞれ次式(3),(4)のように計算できる。

 

定額法による償却額=(取得価格-残存価格)・償却率 (3)

 

定率法による償却額=期首の帳簿価格・償却率    (4)

 

溶接コストの算出は,上述の費目と計算式によって決めることができる。各種溶接法のコスト構成比率は,一般的には,被覆アーク溶接ではもっとも労務費の比率が高く,溶接の機械化,自動化が進むほど,すなわち労働装備率が増してくるほど,溶接コストの中での労務比率は低下してくる。


参考文献

1)寺井,山田:現代溶接技術大系第19巻 溶接の生産性,産報出版(株),(1980)

〈原沢 秀明〉