- 接合・溶接技術Q&A / Q02-01-04
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Q立体構造物を3次元切断したい場合,施工法として可能性の高い切断法はどのようなものでしょうか。また,実現に向けての課題は何か教えてください。
レーザ加工システムでレーザビームを伝送する方法としては,ミラー伝送とファイバ伝送がある。CO2レーザはすべて前者で,YAGレーザは両者である。また,加工システムは2次元タイプと3次元タイプがある。3次元レーザー加工システムには,大きく分けて門型タイプ,ガントリータイプ,カンチレバータイプ,多関節ロボットタイプがある。多関節ロボットタイプ以外は,直交3軸と回転2軸を持った構造になっている。このほか,XY2軸をテーブル移動型としたタイプもあり,YAGレーザと組み合わせて精密切断に使用されている。
切断用途でファイバ伝送による加工システムを用いた場合,ファイバ伝送の自由度を生かすためその加工システムの大半は3次元である。ファイバ伝送による3次元加工システムには,多関節ロボットとの組合せと門型またはガントリータイプ等の3次元NC加工システムとの組合せがある。設備のイニシャルコストおよび設備面積が小さい観点から多関節ロボットとの組合せが多い。一般にファイバ伝送後のスポット径は,他の条件が同じであればファイバのコア径に比例するので,なるべく細いファイバを使用した方が焦点で高いパワー密度を得ることができる。
参考文献
1)妹島五彦:FAの技術経済評価法,(株)日刊工業新聞社,(昭和59年4月27日)〈妹島 五彦〉