接合・溶接技術Q&A / Q02-01-08

Q多種類の鋼材を保管しているうちに,鋼材が混じってしまい判別がつかなくなりました。見分ける方法を教えて下さい。

以下の方法を使用目的に応じ,適宜取捨選択もしくは組み合わせて実施し,判断する。なお,図面や仕様書にて規格の指定がある場合は,注文主とか検査機関などの承認が必要であろう。

(1) 該当鋼板の化学分析(5元素の他に合金元素)を行い,成分系,炭素等量などで判断する。

(2) 該当鋼板の機械試験を行い,降伏点,引張強さ,伸び,硬度,衝撃値などで判断する。

(3) 上記の数値と規格値との比較を行う。

(4) 現場的な簡易材質識別法として以下のようなものがある。

① 簡易発光分析(スペクトルテスト)

該当鋼板の検査箇所をスパークさせ,そのスペクトルを光学的に分析するものであるが,その場で成分毎にプリントアウトされ,スパークの面積は5mmf程度である。

② 被膜張写法(別名スンプ法Suzuki Universal Micro-Printing)

検査箇所(約10mmf)をよく研磨して,セルロイド溶液をその部分に流しつけ,よく固まった後に剥がし,ガラス板に挟んで顕微鏡で見れば鋼板表面の組織が検出されるものである。

③ 鋼の火花発生試験方法(JIS G 0566)

該当鋼板の検査箇所にグラインダーで火花を発生させ,観察することで炭素量を推定するもので,JISにも定められている。

炭素の量が増加すると火花の先端が分れたり,花粉状になったりする。ただし,一般のMS材と50HT材ではその判別は難しく,それ以上の高炭素鋼との比較ならば,可能である。

④ 携帯用硬さ計

現場に携帯できる各種の硬さ計があるが,硬度の差を見ることで,鋼種を区分できることもある。一般に高度と引張り強度は比例関係が成立するので例えば軟鋼とHT鋼の区別が硬度差から出来る。

〈飯塚 眞平 / 2012年改訂[加筆]〉

このQ&Aの分類

母材

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保管鋼材の判別法

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