- 接合・溶接技術Q&A / Q02-01-10
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Qサブマージアーク溶接用フラックスを雨でぬらしてしまいました。再乾燥して使えますか。
サブマージアーク用のフラックスは,製造方法により溶融フラックスとボンドフラックスに大別される。ボンドフラックスは焼成温度によってさらに分けられるが,この質問の場合では,ボンドフラックスに一括して取り扱っても差し支えないので,敢えて分けては考えない。
(1) 溶融フラックスの場合
一般に溶接材料に水分は禁物で,雨に濡れた溶接材料は廃棄処分と考えておくことが無難であるが,溶融フラックスの場合は例外に近い。
ただし,濡れたままで時間が経過すると変質する心配があるので,できるだけ早く乾燥して十分に水分を除去しなければならない。さらに本溶接の施工前に,作業性に問題のないことを確認の後,使用せねばならない。
(2) ボンドフラックスの場合
乾燥の過程で,添加されている金属粉が酸化消耗されるなど,成分が変質するおそれがある。さらに粒度の変化も考えられるので,廃棄するなど溶接には使用できない。
〈飯塚 眞平〉