- 接合・溶接技術Q&A / Q02-01-12
-
Q溶接機を購入するに当たって,どのような手順で機種の選択をすればよいのか,CO2溶接機を例にして教えて下さい。
溶接機の機種選定に際しては,性能比較表を作成し,でき得るかぎり定量的に判断することが大切である。また,メンテネンスに対しての配慮も重要で,自社の実情に合わせて考えねばならない。カタログやメーカーの説明だけで判断するのは,非常に危険で,できれば自社の製造現場の実用状況に合わせた状態下で,実演・比較するのが望ましい。
溶接機の機種選定のための要因は多いので,検討には手順の整理も肝要である。以下に溶接機の使用量の多い造船所などで機種選定に当たって用いられている,考え方の手順の一例を示す。
(1) 配備ステージ(小組立,組立またはドック作業場の意味)の調査
●どのステージに配備するのか?
●必要台数は?
●施工法は半自動用か?自動・ロボット用か?
●現在配備してある溶接機のメーカーと仕様は?
●長尺ケーブルは必要か?
(2) 使用率計算・容量の決定
●使用電流はどの程度か?
●長時間連続溶接の可能性があるか?
●使用率はどの程度になるか?
●容量はどの位必要か?
(3) 製品調査
●メーカー数社の製品カタログを取り寄せる。
●メーカーの技術力は十分か?
●ユーザーの不具合改善要求に対して柔軟な対応が期待できるか?
(4) メーカーの絞り込み
●メーカーを数社に絞り込む。
●性能比較表を作成する。
(5) メーカーに実演依頼
●数社のメーカーに対して実演を申し込む。
(実演は数社一度に同じ日に行った方がよい)
●配備計画ステージの作業者数名に使わせる。
●作業者からアンケートをとり意見を聞く。
(6) 機種の決定
●比較表の中から定量的な評価により優先度を決める。価格が安い,機能が充実している,など。
●機種を決定する。
●最終的には,担当者の判断による。
〈飯塚 眞平 / 2012年改訂[一部修正]〉