接合・溶接技術Q&A / Q02-03-14

Qアルミニウム溶接金属の放射線透過試験で多くの気孔が発見されましたが,この原因と防止策について教えて下さい。

アルミニウム溶接金属に発生するブローホールは,主として水素に起因している。この原因は,溶融アルミニウム中の水素の溶解度が凝固時に1/20に激減することによっている。

また,それと同時に凝固速度が比較的大きく,生じた気孔の放出が妨げられることによっている。溶接入熱を大きくし,予熱温度を高くする程ブローホールは減少する。基本的には水素源を絶つことが必要で,水素源としてはアーク雰囲気中に巻き込まれた空気中の水分,シールドガス供給ホースおよびノズルに付着した水分,シールドガス中の水分,母材・溶加材中の溶存水素・母材・溶加材表面に付着・まは吸着した水分,有機物などが考えられるが,このうちでは空気の巻込みによる水分の影響が一番大きい。したがって,湿度の高い大気中での溶接作業をできるだけ行わないことと,ガス流量または流速に留意し,空気を巻き込まないようにすることなどが有効である。

さらに,プレフローを十分に行い,トーチおよびホース内の水分を十分に除去してから溶接を行う。もちろん母材表面に付着した酸化皮膜,錆,水分,また,有機物など水素源となる付着物を十分除去しておくことが必要である。

参考までに図1にブローホールの発生に及ぼす相対湿度の影響を示した。この図から判るように,湿度85~90%以上ではブローホールについて特別の配慮が必要である。

また,シールドガスのホースやトーチ内面での水分の結露がブローホールの原因となる場合も多い。図2に示すように,シールドガスのプレフローがその防止に有効である。実際の溶接施工ではブローホールを完全になくすことは難しい。ある一定の管理限界内に抑えて溶接することが,現実の防止策となる。総合的な見地からブローホールの防止対策をまとめると,表1のようになる。

参考文献

1)(社)溶接学会編:溶接・接合概論,産報出版(株),(1997)

〈渡邊 竹春〉

このQ&Aの分類

アルミニウム・アルミニウム合金

このQ&Aのキーワード

気孔の原因と防止策

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