接合・溶接技術Q&A / Q02-03-18

Qチタン/ジルコニウムクラッド鋼の当板すみ肉溶接におけるアルゴンガスによるバックシールドの要否について教えて下さい。炭素鋼にチタンまたはジルコニウムのライニング施工をした場合にも,同様の問題が発生します。これを含めて特にライニング溶接施工の留意点について教えて下さい。

理論的には,アルゴンガスでバックシールドすることが望ましい。しかしながら,当板(ライニング)との隙間の空気を安全にアルゴンガスと置換することは非常に困難であり面倒である。

隙間の空気を完全にアルゴンガスと置換するためには,溶接する部分以外をテープ等でシール(マスキング)してアルゴンガスを流し置換しなければならない。溶接する部分以外をテープ等でシールしないと,空気を巻き込み完全に置換できない。テープ等でシールしていても,溶接部に接着剤等が付着していると不純ガスを発生し酸化の原因になるため,溶接直前に溶剤で洗浄除去しなければならない。

筆者らの経験では,当板(ライニング)との隙間をできるだけ少なくするように注意して組立て(仮付け溶接の間隔およびハンマーリング等による密着施工を心掛ける)れば,当板(ライニング)裏面の酸化変色ならびに溶着金属の硬化は許容範囲内であり,ほとんどのものが20年以上問題なく運転されている。

バックシールドガス中の酸素濃度と変色の関係についての実験結果を表1に示す。

参考文献

1)蓑田ほか:チタンの溶接,石川島播磨報,第19巻,第4号,p.194,(1979)

〈廣瀬 博章〉

このQ&Aの分類

チタン・ジルコニウムとその合金の溶接

このQ&Aのキーワード

アルゴンガスバックシールド材質:チタン・ジルコニウム

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