接合・溶接技術Q&A / Q02-03-20

Q化学工業で長時間使用され,経年変化したチタン製機器の補修溶接で留意すべき点を教えて下さい。

チタンは通常,活性溶解する環境では使用されないが,環境条件によっては局部腐食(孔食や間隙腐食)を生じる場合がある。この場合の腐食反応における陰極反応の一部が水素発生反応であれば,腐食部近傍(腐食生成物直下等)は水素を吸収している場合がある。あるいは,外観上は腐食減肉がほとんど見受けられなくても環境条件によっては水素を吸収し,水素化物を析出し脆化している場合がある。

このように水素を吸収したチタン機器を溶接補修する場合,水素を吸収して脆化した部分は機械的に(カッターおよびグラインダ等)除去しなければならない。

その場合,水素含有量が600ppm以下であれば,一般的に言って正常な溶接アークが発生すると考えてよい。ただし,150ppm以上の水素含有量のチタンは靱延性が乏しいので恒久対策を別途考える必要がある。

チタン中の水素含有量と溶接アークの安定性については表1に,チタン中の水素含有量と機械的性質については図1,2に示す。

 

参考文献

1)横山博臣:接合技術の最近の進歩,第128回西山記念技術講座テキスト,(社)日本鉄鋼協会,p.217,(1989)

2)G.A.Lenning 他:Trans.Met.Soc.AIME,Vol.200,p.372,(1954)

3)広瀬博章:圧力技術,チタン及びチタン合金の溶接,(社)日本高圧技術協会,第31巻,第3号,p.57,(1993)

〈廣瀬 博章 / 2012年改訂[図SI単位]〉

このQ&Aの分類

チタン・ジルコニウムとその合金の溶接

このQ&Aのキーワード

経年変化の溶接補修材質:チタン

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