接合・溶接技術Q&A / Q02-04-07

Q激しい摩耗を受けるオーガーのスクリュー刃などをタングステンカーバイトで表層硬化肉盛または肉盛補修溶接する場合,(1)最も良い溶接法の選択,(2)中間層(バタリング)は必要か,また,種類は,(3)予熱,後熱処理は,(4)肉盛厚さを5mm以上としたい,場合について教えて下さい。

オーガーというのはおがくずを円筒状に圧縮成型してオガタンという燃料を造る装置だが,そのスクリューが,おがくずに混入している砂などによって激しい摩耗を受けるので,スクリューの刃部をタングステンカーバイド系溶接材料で肉盛溶接を行っている。タングステンカーバイドと一口に言っても,タングステンの粒度やマトリックスの成分など種々の製品が市販されている。オーガーのスクリューに肉盛する場合は80Mesh以下の小粒のタングステンカーバイドで,おがくずの樹脂などによる腐食を防止する為に,耐食性の優れたマトリックスのものが採用される。

(1) 溶接法の選択

必ずガス溶接法で肉盛を行う。

ティグ溶接で肉盛した場合,アーク熱によりタングステンカーバイドが溶融し,C-Fe-Wの金属間化合物となり,目的の耐摩耗性が得られなくなるとともに溶接金属に微細割れを発生し,スクリュー稼動中に肉盛金属が欠損しやすくなるためである。

(2) 中間層(バタリング)は必要か

母材がSM490の場合は中間層は必要としないが,母材が低合金鋼の場合は,軟鋼または高張力鋼系溶接材料で1層肉盛を行う必要がある。

(3) 予熱・後熱処理は

ガス溶接の場合スクリュー肉盛部を約600℃以上に予熱を行い,母材が予熱温度以下にならないように加熱しながらガス溶接を行い,溶接終了後は炉内で徐冷するかケイソウ土に投入して徐冷を行う。

(4) 肉盛厚さを5mm以上としたい

タングステンカーバイド系のガス溶接による肉盛の場合は,できるだけ1層で所定の肉盛になるような施工が必要で,どうしても2層肉盛が必要な場合は母材全体の予熱パス間温度が600℃以下にならないように熱管理に十分注意するとともに,溶接終了後全体を650℃以上に加熱して炉内で徐冷をする。

〈江本 幸生〉

このQ&Aの分類

肉盛溶接

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オーガーのスクリュー刃製品名:オーガーのスクリュー刃材質・材料:SM490級

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