接合・溶接技術Q&A / Q02-04-09

Q土砂摩耗によって生ずる摩耗に対して,耐久性のある肉盛溶接をしたいのですが適当な方法を教えて下さい。

一般的に土砂摩耗と呼ばれる摩耗の形態は一様でなく,エロージョン摩耗,ひっかき摩耗,切削摩耗などの複合した摩耗形態で摩耗は進行する。土砂摩耗での摩耗の激しさは,土砂の中に含まれる硅石質,いわゆるSiO2が主に摩耗の要因である。SiO2はシリカとよく呼ばれるが,その硬さはHV850~1200を示し非常に硬い。この硬質なものに打ち勝つためには当然のことながら硬さの高い肉盛材料を選択すべきである。図1に肉盛材料溶接金属中の各種炭化物の硬さを示すが,タングステン炭化物,クロム炭化物が高い硬さを示し,これらを含有した材料が耐土砂摩耗用としてよく用いられる。タングステン炭化物系は溶接材料として種類は少なく,また,溶接法もガス溶接,被覆アーク棒などに限定されるが,クロム炭化物系材料は被覆アーク棒,CO2用ワイヤ,サブマージ用ワイヤ等種類も多く品物の形状,品物の使用状況,要求される肉盛厚み,溶接性などから適正な材料,溶接法が選択されており選択肢が広い。ただ,図2,図3に示すように一般には硬さが高い方が有利ではあるが,硬さのみで耐摩耗性を推定することは誤りで,地組織の硬さ,炭化物の量,炭化物の大きさ,分散の状況など組織も加味しなければならない。

参考文献

1)(株)神戸製鋼所 溶接棒事業部編:溶接棒各論,(株)神戸製鋼所溶接棒販売部,p.401,(昭和39年)

2)(社)溶接学会編:溶接・接合便覧,(株)丸善,p.699,(平成2年)

〈江本 幸生〉

このQ&Aの分類

肉盛溶接

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耐土砂摩耗

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