接合・溶接技術Q&A / Q02-04-10

Q岩石を粉砕する場合のように,大きな衝撃を伴った摩耗負荷に対して耐久性のある肉盛溶接をしたいのですが,適当な材質と溶接法を教えて下さい。

各種クラッシャー類,土木建設機械部品などは,大きな衝撃摩耗を受けると同時に硬質の岩石類によるえぐり摩耗の形で摩耗が進行する。特に衝撃摩耗は衝撃箇所が塑性変形せずに微少亀裂を発生し表層の剥離によって摩耗となる。したがって,衝撃負荷の大きいものでは靱性が高いことが必要で,実際の部品類でもハイマンと呼ばれる13%Mn鋼系が多い。13%Mn鋼系は靱性が高い上に加工硬化能が大きく衝撃負荷によりHV500前後まで表層は硬化するのが特徴である。

このように激しい衝撃摩耗部品では母材が13Mn鋼系であることが多く,これの再肉盛,補修の例は少ないと思われる。軽度の衝撃摩耗では,母材を炭素鋼などとして肉盛をする場合があるが,この場合は剥離対策からオーステナイト系ステンレス鋼を下盛して,高クロム鋳鉄系材料,高ボロンマルテンサイト系材料が使用される。これらの材料では品物の大きさ,溶接量によりアーク棒,CO2ワイヤでの肉盛が行われているようである。

〈江本 幸生〉

このQ&Aの分類

肉盛溶接

このQ&Aのキーワード

耐大衝撃摩耗

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