接合・溶接技術Q&A / Q02-04-11

Q自溶性合金といわれる合金は,どんな材質で,どのような方法で肉盛溶接されるのですか。また,どのような用途に適しているのでしょうか。

自溶性合金は,主としてコルモノイ合金と呼ばれるNi-Cr-B合金に代表され,AWSでは表1に示すように3種類の規格があり,従来はガス溶接,ティグ溶接が主体であったが最近ではプラズマ粉体溶接でも肉盛される。溶射分野では,溶射被膜形成後に被膜を適当な温度で再加熱(ヒュージング)することによって健全な被膜とし,また,母材との融合を図るが,肉盛溶接ではこの再加熱は行われない。この合金は600℃までの高温では熱間硬さの低下が少なく,耐酸化性,耐腐食性,耐熱性に優れるなどの特徴をもち,ステライト合金とよく比較されるが,機械的,熱的衝撃に弱いといった欠点がある。用途としては,ポンプ,スクリュー,バルブ,スクリューコンベア,ポンプスリーブなどがある。

〈江本 幸生〉

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肉盛溶接

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自溶性合金

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