接合・溶接技術Q&A / Q02-04-16

Q肉盛前の予熱温度の決め方をどうすべきですか。

肉盛の場合は,大別すると硬化肉盛,耐食肉盛,復元肉盛があると考えられる。硬化肉盛の場合は,溶接材料によって例えばステライト系,高硬度のマルテンサイト系などでは溶接材料へ求められる適正予熱温度(肉盛部の割れ防止のため)が材料メーカーから推奨されているので,これを順守すべきである。肉盛を行う際には一般的に母材が軟鋼である場合は少なく,多くは炭素鋼S35C,S45Cまたは低合金鋼SCM,SNCM材となる。これらの母材に対する予熱の目的としては,

① 冷却速度を遅くすることによって熱影響部の硬化および脆化の防止

② 拡散性水素放出の助長

③ 低温割れの防止

④ 溶接歪みの緩和

などが挙げられる。予熱温度は母材成分,硬さ,形状,大きさによって異なってくるが予熱温度の決め方として,炭素当量による計算法がよく使用される。

予熱温度(℃)=炭素当量(%)×350℃

炭素当量(%)=C%+Mn%/6+Si%/24+
Ni%/40+Cr%/5+Mo%/4
+V%/14

しかし合金鋼の場合は,この計算法ではSKD61で約650℃などと高温の予熱温度となるが,実際にはここまで予熱は行われず,現場での経験的なものから予熱温度が決められている。代表的予熱温度の一例として表1に示す。

〈江本 幸生〉

このQ&Aの分類

肉盛溶接

このQ&Aのキーワード

予熱温度

Q&Aカテゴリ一一覧