Q&A1000カテゴリ検索に戻るQ&A1000サイトマップに戻る  (社)日本溶接協会/溶接情報センター 

 

 

The Japan Welding Engineering Society

  

   

▼No.

Q03-04-27

 

▼小分類

超音波探傷試験

 

▼キーワード

表示の判読

 

 溶接技術教育シート
  (IIWシラバス)
 Keyword検索

 

            
 

※教育シートのご利用には
アクセス権が必要です

 

超音波探傷器の表示部に現れたエコーから,どのような情報が読みとることができるのですか。

  

  

通常の超音波探傷器では,基本表示(Aスコープ表示)を用い,表示器の横軸に伝搬時間すなわち距離を,そして縦軸に音圧を表示する。横軸のフルスケールは,一般に試験する材料の厚さに応じて調整する。通常,鋼材などの試験体の距離に換算して10〜5000mm程度の範囲で調整ができ,このフルスケールを測定範囲と呼んでいる。また,受信した信号の増幅の度合を変えることによって信号の高さを変えることができ,これを感度調整と呼んでいる。

図1に垂直探傷の表示の例を示す。この試験体の厚さは40mmであり,測定範囲は100mmに調整してある。健全部では底面エコーのみが観察され,試験体の厚さの確認ができる。欠陥エコーが観察されるところでは,表面から欠陥までの深さが30mmと推定できる。欠陥エコー高さは,探傷感度の調整に用いた標準反射源の大きさと比較して,相対値で評価する。

一般に,溶接部の超音波探傷試験で用いる斜角探傷の場合は,底面エコーは得られず,超音波の伝搬経路に何か反射源が存在する場合にエコーが観察できる。通常は,表示器の横軸からは超音波の入射点から反射源までの距離を読み取ることができる。したがって,反射源の位置を推定する場合は,図2のように幾何学的に計算によって求めることが必要となる。溶接線方向の欠陥の長さを知るためには,探触子を溶接線に沿って平行に移動させ,あるレベルを超えるエコーが現れる範囲を計測して求める方法を用いる。

図3に基本表示(Aスコープ表示)以外の表示方法を示す。通常,基本表示で得た信号のうち,横軸のある範囲であるエコー高さ(しきい値)を超えるものをそれぞれ断面および平面表示させる方法を自動探傷に使用している。ただし,これらの表示は,しきい値の選び方に依存し,このレベルが低すぎると欠陥を過大評価し,高すぎると過小評価および欠陥を見落とすことも考えられる。このため,最近では試験実施後にこのレベルを選定できるように,全ての信号を記憶させる方式を用いることが多い。


〈横野 泰和 / 2012年改訂[字句修正]〉