接合・溶接技術Q&A / Q05-02-95

Q銅や銅合金を異種金属と溶接・接合する場合の問題点と対策を教えて下さい。

銅合金も多種類あり,異種金属との組合せによる溶接は多岐にわたるので,銅または銅合金と炭素鋼・ステンレス鋼との溶接について述べる。インコネルやニッケルの場合にはステンレス鋼に準じて考えればよい。

銅合金と異種金属の溶接を困難にしているのは,互いに物理的性質が大きく異なることによる。溶接材料の選択のポイントは,双方の材料に相性の良いものを選ぶか,一方の材料に適合するものを少しずつ変えていき他方に合わせるかのいずれかである。

溶接法はティグ溶接かミグ溶接がよく,被覆アーク溶接棒による溶接は難しい場合が多い。銅・銅合金と異種金属との溶接における溶接材料の選択例を表1に示す。

注意点として以下のようなものがある。

① 銅と鉄は固溶限が低く,過大な溶込みによる溶接で銅に溶け込んだ鉄は,溶接金属中に析出し割れを発生しやすい。ニッケルは銅と全率固溶体となるので,成分上の問題はなく,大入熱で溶接しなければ割れの心配は少ない。このため銅・銅合金と炭素鋼の溶接では中間溶接材料としてニッケルが用いられる。ただし,アルミ青銅に対しては,ニッケル含有量の多い(20%以上)溶接材料は割れが発生するので注意を要する。

② 黄銅の溶接は,溶接熱により亜鉛が昇華し,溶接性を阻害するので,難しい。亜鉛の含有量が多いほどこの傾向は激しい。本溶接の前にバタリングをしておくと亜鉛の昇華はかなり緩和される(ただし,バタリング時に同様のことが起こるが,要はできるだけ溶接がしやすい形状でできた方が問題は少ない)。バタリングに用いる溶接材料は,CuAl系以外にCuSi系が溶接作業性,溶融金属の流れ性がよく適している。

〈相原 常男〉

このQ&Aの分類

銅とその合金

このQ&Aのキーワード

異種金属の接合

Q&Aカテゴリ一一覧