接合・溶接技術Q&A / Q06-01-09

Qマグ溶接ソリッドワイヤと比べてフラックス入りワイヤの長所,短所はどのようなことですか。

マグ溶接フラックス入りワイヤには,充填フラックスの種類によりルチール系,塩基性系,メタル系,ライム系及びその他と区分されているが,最も一般的に使用されているルチール系とメタル系について,マグ溶接ソリッドワイヤとの比較を以下に述べる。表1にルチール系フラックス入りワイヤのソリッドワイヤと比べた長所,短所を示す。フラックス入りワイヤの長所の1つがスパッタ発生量が少ない点であり,図1に示すように炭酸ガスによるマグ溶接でソリッドワイヤに比べ大粒(0.85mm以上)のスパッタが極めて少ない。また,図2にソリッドワイヤとメタル系およびルチール系フラックス入りワイヤの溶着速度の測定結果を示す。ソリッドワイヤに比べ,ルチール系フラックス入りワイヤで約1割,メタル系フラックス入りワイヤでは約3割溶着速度が速い。これは,フラックス入りワイヤの方がソリッドワイヤに比べ,同一径であれば充填されているフラックスの分だけ外皮の金属部分の面積が少なくなり,同一電流での電流密度がソリッドワイヤに比べ高くなるため溶着速度が速くなる。メタル系の場合は,充填フラックス中に鉄粉が多く添加されるため,さらに溶着速度が速くなる。以上,フラック入りワイヤのソリッドワイヤに比べた主な長所を述べたが,表1に示すような短所もあり,その特性をよく理解して適用することが必要である。

参考文献

1)(社)日本溶接協会 溶接棒部会編:フラックス入りワイヤの実践,産報出版(株)

〈塚本 宗安 / 2012年改訂[一部修正]〉

このQ&Aの分類

普通鋼・高張力鋼

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マグ溶接フラックス入りワイヤ製品名:FCW材質:炭素鋼施工法:マグ溶接・ミグ溶接

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