接合・溶接技術Q&A / Q06-03-02

Q低合金耐候性鋼の溶接に際して,溶接法,溶接材料の選択,使用上の注意点について教えて下さい。

耐候性鋼とは,さびをち密化・安定化し,腐食し難い性質を持たせた鋼材である。耐候性向上には,P,Cu,Cr,Niの添加が有効である。JIS G 3125(鋼耐候性圧延鋼材)には,高P系で特に耐候性が優れたHT490級(板厚16mm以下)が規定されている。表1には溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材のJIS,JISG 3114を示す。SMA50,SMA58はそれぞれSM50,SM58に耐候性を付与したものであり,使用の仕方で,W系(裸のまま,または,さび安定化処理を施して使用)とP系(塗装して使用)に分けられる。溶接金属の耐候性は,鋼材と同様に添加されたCu,Cr,Niなどの有効合金成分で決まる。したがって,鋼材と同様の成分になるように適切な溶接材料を用いて溶接すれば母材の耐候性と同等になる。

表2は,耐候性鋼用溶接材料のJISの一覧である。被覆アーク溶接棒,サブマージアーク溶接用溶接材料およびガスシールド溶接フラックス入りワイヤは溶接金属の成分としてそれぞれJIS Z 3214,JIS Z 3183およびJIS Z 3320に規定されている。ガスシールド溶接ソリッドワイヤはワイヤの成分としてJIS Z 3215に規定にされている。成分の規格のうち,耐候性に効果のあるCu,Crおよび,Niはそれぞれの溶接金属中の鋼材の規格値の下限を下回らないように規定されている。

耐候性鋼は強度が高くなっているので,水素による低温割れを生じやすいので,溶接材料は吸湿管理および再乾燥に充分に行い,予熱・パス間温度も適切にとることが必要である。溶接棒の乾燥条件の一例を表3,道路橋示方書による標準予熱条件を表4に示す。W系鋼板の溶接はP系鋼板の溶接よりもやや予熱温度を高くする。また,サブマージアーク溶接では板厚25mm以上では被覆アーク溶接棒より高めの150℃以上で行い,フラックスも使用前に200~350℃で1時間以上再乾燥を行う。

〈元松 隆一〉

このQ&Aの分類

低合金・圧力容器・耐熱鋼

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耐候性鋼

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