- 接合・溶接技術Q&A / Q06-03-03
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Q低合金耐火鋼の溶接に際して,溶接法,溶接材料の選択,使用上の注意点について教えて下さい。
耐火鋼は,Mo,Nbなどの合金元素を添加して図1に示すように600℃における高温耐力を向上させた鋼材で,常温時の性能は溶接構造用圧延鋼材JIS G 3106-1988に合致する。現行,HT400,HT490およびHT520鋼(新日鐵規格記号としてはSM400-NFR~SM520-NFR)が実用化されている。表1に耐火鋼の成分例を一般鋼との比較で示すが,耐火鋼にはMo,Nbが添加され,一般鋼に比べCeqは高いがC,Si,Mnの含有量が低くPCMは低い。このため,図2に示すように斜めY形溶接割れ試験では,耐火鋼は一般鋼より低い予熱温度で溶接割れを防止できる。
溶接材料には,被覆アーク溶接棒,ガスシールドアークソリッドワイヤ,ガスシールドフラックス入りワイヤ,サブマージアーク溶接材料およびエレクトロスラグ溶接材料があり,一例を図3に示すように,高温耐力確保のためMoを適正量添加している。特に,サブマージアーク溶接やエレクトロスラグ溶接のような母材希釈率の高い溶接法では,母材からの耐火元素の移行も考慮して溶接材料が設計している。さらに,Ti,B添加大入熱溶接用材料で高温伸びも考慮している。
これら溶接材料の使用上の留意点は,SM400~SM520鋼と同様である。例えば,割れやブローホール等の欠陥防止から,開先内のさびや油汚れ,プライマーなどは除去し,溶接棒およびサブマージアーク用フラックスは使用前に乾燥する。一例を表2に示す。また,予熱は表3に一例を示すように鉄骨工事技術指針を参考に実施する。
なお,耐火鋼にはMo,Nbに加え,Cu,Ni,Crを適宜添加して耐候性を付加した耐候性耐加工も実用化されている。一般の耐火鋼用とは別途の溶接材料であるが,この場合は耐候性鋼と同じ施工要領を採用する。






参考文献
1)新日本製鐵(株):建築構造用鋼材(NSFR),新日鐵カタログ,NoAC1042)望月:最近開発された建築構造用鋼材,第20回実用溶接講座テキスト
3)日鐵溶接工業(株):ニッテツびいど,No.110,AUTUMN,p.12,(1994)
4)日鐵溶接工業(株):ニッテツびいど,No.96,Spring,p.17,(1991)
〈元松 隆一〉