接合・溶接技術Q&A / Q06-03-06

Q圧力容器用鋼(JIS G 3115:SPV鋼)について溶接材料選定基準および溶接時の留意点について教えて下さい。

JIS G 3115で規定されているSPV鋼は,圧力容器および高圧設備などに用いる溶接性に優れた熱間圧延鋼板である。この鋼材は,大別すると強度レベルごとに表1に示す6種類になる。

SPV鋼の溶接には,各種溶接法が適用可能で,被覆アーク溶接法をはじめとする,ガスシールドアーク溶接法,サブマージアーク溶接法およびエレクトロスラグ溶接法などが一般的に用いられる。

この溶接法の選定に当たっては,鋼材の種類,特に強度,熱加工制御を含む材質特性,板厚と構造物の使用目的,例えば,負荷の程度,低温靱性,耐食性,気密性などを把握し,施工時の難易度,能率,経済性を総合的に判断して選択する必要がある。

各鋼材別の溶接材料選定基準を表2に示すが,原則的には各種溶接材料とも,SPV235鋼材については軟鋼用溶接材料を,SPV315,355鋼材には,490N/mm2級高張力鋼用溶接材料を,SPV410,450,490鋼材には,570~590N/mm2級高張力鋼用の溶接材料をそれぞれ選定するようにする。

また,溶接施工時の主な留意点としては,

① 溶接金属の機械的性能確保のため,溶接材料にあった適正な溶接電流・溶接入熱で溶接する。

② 水素による遅れ割れ防止の観点から,溶接法,溶接対象鋼種,板厚などに応じた適切な予熱・パス間温度で溶接する。

③ サブマージアーク溶接法などのように母材希釈が大きく,鋼材成分の影響を強く受ける溶接法では,事前に検討し,適切な溶接材料および溶接条件を選定する必要がある。

④ 溶接材料の保管・管理に十分注意する。特に,溶接棒および溶接フラックスなどは使用前に所定の条件で乾燥する。被覆アーク溶接棒の乾燥条件の一例を表3に示す。

〈須田 一師〉

このQ&Aの分類

低合金・圧力容器・耐熱鋼

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圧力容器用鋼

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