- 接合・溶接技術Q&A / Q06-03-07
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Q各種低合金Cr-Mo鋼の溶接に際して,溶接材料種類,溶接材料選定上留意する事項等について教えて下さい。
低合金Cr-Mo鋼の溶接に使用される溶接材料は,溶接する鋼材(母材)の成分系ごとに,また,溶接方法ごとに規定されており,一般的には被覆アーク溶接材料,サブマージアーク溶接材料,マグ溶接材料,ティグ溶接材料,エレクトロスラグ溶接材料などが用いられている。
表1に各種溶接材料別の規格および種類を示す。
低合金Cr-Mo鋼の被覆アーク溶接で使用される溶接棒は,JIS Z 3223で規定されており,主に被覆剤の系統,溶着金属の化学成分および機械的性質毎に分類されている。通常,溶接棒の選定に当たっては,溶着金属の化学成分および機械的性質が母材とほぼ等しいものを選択する。サブマージアーク溶接材料は,JIS Z 3351,JIS Z 3352およびZ 3183で規定されており,通常,溶着金属の化学成分が母材成分にほぼ等しくなるように溶接ワイヤと溶接用フラックスの組合せを選択する。マグ溶接材料は,JIS Z 3317,Z 3318に,また,ティグ溶接材料は,JIS Z 3316にそれぞれ規定されており,母材成分とほぼ等しくなる溶接ワイヤを選定する。エレクトロスラグ溶接では,溶込みが大きいため,溶接金属の品質は母材成分の影響を大きく受ける。そのため,溶接ワイヤは,溶着金属成分のうち,C以外が母材とほぼ等しくなるように選択し,溶接用フラックスは,スラグの導電性,流動性を考慮して,溶融フラックスを選定する必要がある。
さらに,溶接材料および溶接方法の選定に当たっては,低合金Cr-Mo鋼の諸特性を十分に把握し,それらの性能を最大限発揮させるために最適な溶接材料と溶接方法を選択する必要がある。低合金Cr-Mo鋼は,自硬性が強いことから溶着金属や溶接熱影響部の耐割れ性に対する注意とともにその使用目的である高温度での耐酸化性・耐食性,高温の機械的性質および高温長時間加熱による破壊靱性値などの確保にも十分に考慮して,溶接材料および溶接方法を選択する必要がある。

〈須田 一師〉