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The Japan Welding Engineering Society

  

   

▼No.

Q07-01-02

 

▼小分類

種類と特徴

 

▼キーワード

ガスシールドアーク

 

 溶接技術教育シート
  (IIWシラバス)
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ガスシールドアーク溶接の分類とそれらの使い分けについて教えて下さい。

  

  

ガスシールドアーク溶接は,まず消耗電極式と非消耗電極式に大別される。そして,消耗電極式の場合にはシールドガスの種類によってMIG(Metal Inert Gas)溶接とMAG(Metal Active Gas)溶接とに分けられる。ミグ溶接はAr,He(または,これらの混合ガス)のような不活性ガス,あるいは,これに酸素や炭素ガスのような活性ガスを少量添加してシールドガスとして用いる方法である。一方,マグ溶接はシールドガスとして炭酸ガスを用いるものとアルゴンと炭酸ガスの混合ガスを用いるものに大別され,前者は炭酸ガスアーク溶接と呼ばれる。また,アルゴンと炭酸ガスの混合ガスを用いる方法は混合ガスアーク溶接と呼ばれ,混合比は80:20の場合が多い。なお,非消耗電極式のガスシールドアーク溶接としては,TIG(Tungsten Inert Gas)溶接があり,アルゴン雰囲気中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ,そのアーク熱によって溶加材および母材を溶融して溶接する方法である。

ガスシールドアーク溶接の種類と溶接材料については,表1にまとめるとおりである。

(1) マグ溶接

マグ溶接は安価な炭酸ガスを単独で,またはアルゴンと混合して用いる溶接方法で軟鋼,高張力鋼,および低合金鋼の溶接に広く用いられている。

マグ溶接に用いられるソリッドワイヤやフラックス入りワイヤは,自動化が安易で溶接の合理化が図りやすいため,全溶接材料の中に占める使用比率は近年非常に高くなっている。また,我が国ではコストの安い炭酸ガスをシールドガスとする場合が多いが,スパッタ低減のために混合ガスを使用したり,パルスマグ溶接を採用したりしている業種もある。

(2) ミグ溶接

ミグ溶接はアルミニウム,チタンのように本来は溶接時に酸化,窒化しやすい金属を対象に開発され,その他非鉄金属,ステンレス鋼等にも使用されていた。純イナートガスでシールドしながら溶接する場合と,ステンレス鋼の場合のようにアーク安定性の面より若干の酸素を混合して使用する場合がある。ミグ溶接によれば清浄な溶着金属が得られるが,アルゴンが高価なため適用される範囲はアルミニウム合金,ステンレス鋼,耐熱合金鋼等が主体である。

(3) ティグ溶接

溶接トーチと溶加棒とをそれぞれ手で持って行う溶接が主であるが,溶接ワイヤを自動的に送給してトーチも自動送りする全自動ティグ溶接装置も実用化されており,溶接ロボットにティグ溶接を適用している例等もある。

ティグ溶接は非消耗電極式であるためワイヤ自身が電極となってアーク熱で溶融する消耗電極式と異なり,電極からの溶融金属の移行がないので,これによるアーク不安定さやスパッタの発生がなく静かな溶接法である。風のない状態であれば大気からのシールドはほぼ完全に行われる上,アークがクリーニング作用をもつためアルミニウム,マグネシウム等を含めて工業的に使用されているほとんどの金属に適用できる。不活性なシールドガス中で再溶解され,そのまま溶接金属になると考えられるので,溶接材料は成分面から見て所望の溶着金属成分とほぼ同じで,不純物元素の少ない成分設計がなされる。一般的に,母材と共金あるいは溶着金属に要求される性質を満足する成分系のものが使われる。


〈細井 宏一〉