接合・溶接技術Q&A / Q07-01-12

Q軟鋼板を抵抗スポット溶接する時のワーク形状や板厚,用途に応じたガンの選定法について教えて下さい。

ガンの選定方法には,いろいろな条件が考えられる。まず,ラインタクトにより自動化にするか,人手による作業にするかで変ってくる。被溶接物(ワーク)を動かす方法と,溶接機を動かして,ワークを固定する方法とに大別される。早いラインタクトや大量生産の場合は,固定溶接機を多数並べて一度に多打点を溶接するマルチ溶接方法か,ロボット使用による方法が考えられる。この場合でも,マルチ溶接方法ではワークを動かすが,ロボット使用ではワークを固定する。更に,マルチ溶接の中でもスタットガンによるシリーズ溶接方法を用いた多打点溶接方法もあり,これらの方法は設備費用が多くかかる。

人手による作業の場合は,ワーク固定によるポータブルガン使用方法と,ワークを持って動かす定置溶接機による方法がある。スポット溶接機には前記したように一般的にポータブルガン,マルチ溶接機,ロボットによる溶接機,定置溶接機,スタッド溶接機等があり,形状的には,XタイプとCタイプのものが使用されている。ワークに対するガンの選定については,前記の方法を考え溶接部位の板厚,重ね枚数などによってガンの加圧力や溶接電流,通電サイクル等の条件を設定する。作業性を重要視するポータブルガンでは,治具の製作方法によって,人の位置や,ガンの挿入方向によってXタイプにしたり,Cタイプにしたりすることがある。

例えば,図1,2のようにポータブルガンの場合,電極開放時ワークに当たらないようガンを選定し,Xガンのように片側開放量の大きく開く特徴を生かした使用方法が考えられる。また,Cタイプを使用した場合,ポータブルガンでは自由に片側電極をワークに接して溶接することができるが,マルチ用Xタイプのガンを使用する場合は,電極開放量やイコライズ機構付のものはその移動量を考えて選定する必要がある。

このように,用途や溶接部位によってガンを選定することが必要で特に定義等はなく,作業性を重視し,コストに見合ったものを使用することである。また,近年では,3D-CADによりワーク図にガンの動作をシミュレーションして干渉チェックする方法が確立されている。

〈大矢 邦男 / 2012年改訂[字句修正]〉

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ガンの選定材質:軟鋼施工法:抵抗溶接法(スポット溶接)

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