接合・溶接技術Q&A / Q07-01-20

Qマグ・ミグ溶接の能率向上を目的として,同時に2つのアークを発生させて溶接することがあるようですが,その概要について教えて下さい。

複数のトーチを用いて多電極アークを同時に発生させることによって,溶接能率を向上させる手法は従来から種々実施されてきましたが,最近では,ロボット溶接への適用などを考慮して,図1.に示すようなタンデムパルスミグ・マグ溶接システムが開発されています。1つのトーチの中に2本のワイヤを供給するとともに,独立した2台の溶接電源から個別の出力をそれぞれのワイヤに供給します。また2台の溶接電源からの出力は,パルス出力のタイミングを任意に選定できるようになっています。

溶接トーチ先端部の詳細は図2.のようであり,ジャケットを利用して組合わされた2本のトーチは,その極間距離が所定値に保たれるとともに,良好なシールド性能を確保できるように設計されています。

それぞれ独立した2台の溶接電源から出力されるパルス電流の組合せ方法は,互いのパルス位相をほぼ一致させる同時型制御と,互いのパルス位相を完全にずらせるスタガ型制御とに大別され,同時型制御は鉄鋼材料などの溶接に適します。しかし,同時型制御をアルミニウム合金の溶接などに適用すると,図3.のように,アークは不安定でスパッタの発生も多く,良好なビード外観が得られません。アルミニウム合金などの溶接にはスタガ型制御が適し,パルスの位相を完全にずらせることによってアーク力を分散させることが必要であると思われます。タンデムパルスマグ・ミグ溶接の一例を図4.に示します。

〈三田 常夫 / 2012年新規〉

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