接合・溶接技術Q&A / Q07-02-04

Qアーク溶接電源の出力特性には種々のものがあります。それぞれの特徴と用途について説明して下さい。

アーク溶接電源に用いられる出力特性は,垂下特性,定電流特性,定電圧特性の3種類に大別される。

垂下特性は,図1(a)のように,溶接電源の出力が正弦波状に変化する特性であり,アーク長(l)の変化によって電圧(V)はかなり変化するが,電流(I)の変化はわずかである。このような垂下特性は,主として被覆アーク溶接電源やサブマージアーク溶接電源などに採用されている。

定電流特性は,図1(b)のように垂下特性と類似した出力特性であり,電圧が変化しても所定の電圧以下での電流値はほとんど変化しない。しかし,アーク長変動にともなう溶接電流の変化は垂下特性の場合より少なく,ティグ溶接電源やプラズマ溶接電源,あるいはパルスマグ溶接電源などに用いられている。

定電圧特性は,図1(c)のように,電流が変化しても電圧はほとんど変化しない出力特性であり,CO2・マグ・ミグ溶接電源などに適用されている。

定電圧特性電源では,アーク長の変化によって電流値が変動し,それにともなってワイヤ溶融速度も変化する。すなわち,アーク長がlOからlSに短くなると,電流はIOからISに増大するため,ワイヤの溶融速度が増加してアーク長を長くするように作用し,アーク長は元の長さlOに引き戻される。反対にアーク長がlOからlLに長くなると,電流はIOからILに減少してワイヤ溶融速度を低下させるため,アーク長はやはり元の長さlOに戻される1)

このような定電圧特性電源のアーク長を一定に保つ作用は“アーク長の自己制御作用”と呼ばれ,CO2・マグ・ミグ溶接電源の極めて重要な特性となっている。なお,垂下特性および定電流特性電源には,このようなアーク長自己制御作用はない。

参考文献

1)日溶協・電溶機部会編:アーク溶接の世界パートⅡ,産報出版(株)

〈三田 常夫〉

このQ&Aの分類

溶接機

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アーク溶接電源

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