- 接合・溶接技術Q&A / Q07-04-01
-
Qプライマー塗布鋼板や亜鉛めっき鋼板をマグ溶接する際,ピットやブローホールなど気孔欠陥の発生を抑えるにはどのようなワイヤを選べばよいのでしょうか。
プライマには,その目的に応じてウォッシュ,ノンジンク,ジンクリッチ,無機ジンクなどの種類があり,それぞれ化学組成が異なる。したがって,気孔を低減する溶接ワイヤもプライマごとに専用となる。造船や橋梁で一般的な無機ジンクプライマに対しては,CO2溶接で用いるメタル系フラックス入りワイヤがある。気孔低減の一例を図11)に示す。
亜鉛メッキ鋼板は自動車,住宅,配管などで使用されており,その目付け量(単位面積当りの付着量)に応じて前述のメタル系フラックス入りワイヤや専用ソリッドワイヤが実用化されている。ソリッドワイヤは,CO2溶接あるいはパルスマグ溶接用が主であり,図21)に示すような気孔低減効果がある。
プライマ塗布鋼板や亜鉛メッキ鋼板では,用途によって塗膜の化学組成や付着量が異なっている。したがって,それらに適した専用溶接ワイヤが実用化されており,使用に際して溶接材料メーカに問い合わせることも必要である。
参考文献
1)中野:溶接技術,Vol.44,No.7,p.70,(1996)〈中野 利彦 / 2012年改訂[字句修正]〉