- 接合・溶接技術Q&A / Q07-04-08
-
Qティグ溶接の極性は,どのような条件によって選択すればよいのですか。
直流ティグ溶接の極性には電極マイナス(DCEN)と電極プラス(DCEP)がある。DCENでは,電極のタングステン消耗が少なく安定で集中したアークが得られ,DCEPに比べ溶込みが深い。このため,ほとんど全ての金属材料に適用可能で良好な溶接品質の確保が必要とされる場合に用いられる。
DCEPではアルミニウム,マグネシウムやその合金の表面の酸化被膜を除去するクリーニング作用(図1参照)がある。しかし,EP極性ではタングステン電極の過熱を生じやすく,電極消耗が激しくなり,溶接電流を高くできないので実用には向かない。このため,DCEPとDCENの両極性の長所を利用した交流が,アルミニウムやマグネシウムやそれらの合金には広く用いられている。表1に各種材料によって用いられている極性をまとめた。
参考文献
1)(社)日本溶接協会編:ティグ溶接法の基礎と実際,産報出版(株),p.68,(1982)〈西川 和一〉