接合・溶接技術Q&A / Q07-06-03

Q電子ビーム溶接やレーザ溶接で,溶接材料を添加することがあるでしょうか。その場合,方法や実施例について教えて下さい。

電子ビーム溶接やレーザ溶接では,基本的に溶接材料を添加せず母材のみを溶融させて接合を行うが,下記のような場合には溶接材料を添加することがある。

① ワークの溶接部にギャップがあり,安定したビード形成のために材料を補填する必要がある場合

② 溶接金属の清浄度や機械的性能を改善する必要がある場合

③ 完全溶込み溶接を行うと,材質的に表面ビードが凹みやすい材料に余盛を形成させるため(アルミ合金など)

溶接材料の添加方法としては,フィラーワイヤの送給が最も一般的である。図1にレーザ溶接における例の模式図を示す。収束された電子ビームやレーザビームはいずれも極めて小径であるためワイヤは直径1mm以下の細径ワイヤが用いられることが多く,これをワイヤガイドを介して精度良くビーム照射点に送給し溶融させる。

この方式の代表例としては,自動車ボディパネル(テイラードブランク材)のプレス前の突合せレーザ溶接があげられる。この場合,板厚を1mm程度の薄鋼板をシアー切断した端面を突合せるために生じる若干の開先ギャップを補填し溶接を安定化させる目的でワイヤが添加される。

その他の溶接材料添加方法としては,溶接する母材間にインサート材の箔を挟む方法があるが,インサート材と両側の母材にできた2つの接合面を安定して溶融させるために極めて高い開先加工精度とビーム位置精度が求められるため,一般的にあまり広範には用いられていない。

〈古賀 信次〉

このQ&Aの分類

電子ビーム・レーザビーム溶接

このQ&Aのキーワード

溶接材料の添加

Q&Aカテゴリ一一覧