接合・溶接技術Q&A / Q07-06-05

Q電子ビーム溶接機は現在どのようなタイプのものが実用化されているのでしょうか。

電子ビーム溶接機は,その機能,形態により分類すると次の4種類に大別できる。

① 加速電圧による分類

② 加工室圧力による分類

③ 電子銃取付位置による分類

④ 生産形態による分類

(1) 加速電圧による分類

高電圧型と低電圧に分類できる。加速電圧が100~150kVが高電圧型で,30~60kVが低電圧型である。

高電圧型は,出力150kVまでの装置が製品化され,その加工能力は鉄鋼材料ならば,0.1~200mm厚,アルミニウム合金ならば0.1~300mm厚のものまで溶接できる。

低電圧型は,出力45kWまでが製品化され,特殊な用途を除き,使いやすさの点で有利であるので,より広く産業界で利用されている。

(2) 加工室圧力による分類

高真空型と低真空型に分類できる。加工室圧力が0.067Pa以下が高真空型で,6.67Pa以下が低真空型である。加工室圧力は,その使用形態により6.67Pa~1.3×10-6Paと広範囲に渡る。加工室容積は,真空ポンプの高性能化とともに大容量化が進み,内容積が数百m3のものまである。高真空型の排気装置は,油拡散ポンプ,メカニカルブースタポンプ,油回転ポンプが一般的な構成で,低真空型はメカニカルブースタポンプ,油回転ポンプの構成である。注目すべきことは,最近,設置環境の改善,省エネルギーの観点より騒音,振動,発熱等の少ないスクロールポンプ,ターボ分子ポンプを装着した装置の増加である。

(3) 電子銃取付位置による分類

加工室外に電子銃を取り付ける室外型と加工室内に取り付ける室内型に分類できる。

室外型は,電子銃固定型と特殊なスライディングシール機構を用いた移動型があり,移動ストロークが数mのものまである。

室内型は,電子銃移動型で5軸(X,Y,Z,A,C)同時制御のロボットに電子銃を取り付け三次元の溶接ができ,その加工領域が10mを超えるものまである。三次元の溶接位置は,弱ビームを溶接線を横切る方向に走査し,その時発生するX線を電子銃に内蔵したセンサーで捕らえ自動検出し目はずれを防止している。

(4) 生産形態による分類

量産型と汎用型に分類できる。量産型は,限定されたワークを連続生産するものである。表1に示すようにステーションの数,加工室の寸法,排気時間等が細分化されシリーズ化されている。最近,予備排気して,排気時間が生産タクトに関係しないカセット式の加工機が開発され,より高生産性になっている。その原理図を図1に示す。汎用型は,多様な被加工物に対応できるように治具テーブル駆動,溶接条件の設定はすべてCNC制御である。高速偏向装置,特殊冶具テーブルを備え,溶接,焼入れ,合金化等熱処理加工ができるものまである。

〈真鍋  勝〉

このQ&Aの分類

電子ビーム溶接

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溶接機の種類

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