接合・溶接技術Q&A / Q07-12-02

Qガス切断,プラズマ切断と比較したレーザ切断の特徴,および種々の材料をレーザ切断するときに使用するアシストガスについて教えて下さい。

レーザは熱源として優れた性能をもっているので,これらを応用した加工法は,従来の加工法にはない数々の優れた特徴をもっている。それらを列挙すると,

① 材料の硬さや剛性に関係なく切断できる。

② 加熱が瞬間的であるため,他の熱切断法に比べて熱影響層が浅い。したがって薄板切断においても,熱変形が小さい。

③ 高速で切断できる。

④ ビームの発振は電子工学的手段により高速・高精度で制御できるので,数値制御装置との組合せで,複雑な形状の切断や多数の穴あけが容易にできる。

⑤ 加工条件を材料に適するように制御することにより,加工を最適化できる。

などである。

一方,他の切断法に比べ以下の点で劣っている。

① 板厚レンジが他の切断法より制限される。

② 装置のイニシャルコストが高い。

表1にガス,プラズマ,レーザ3種の品質的特徴を示す。表1から明らかなように,切断面粗さについてはレーザ切断特有の条痕が発生するため,他の切断法より若干粗くなるが,他の品質評価項目については,同等ないしは優れている。したがって,レーザ切断は現時点の熱切断で,最も高精度切断が可能な手段として位置付けることができる。

また,表2に示すようにレーザ切断においては材料により使用するアシストガスは異なり,材料の種類・板厚や必要としている切断品質によって選択されている。

炭素鋼・低合金鋼の切断では,酸化反応による反応熱を利用して切断効率を向上できる酸素ガスをアシストガスとして使用する。酸化反応熱を利用しない薄板の切断では,窒素ガスを使用する例もある。ステンレス鋼の切断では酸素ガスも使用するが,最近では切断面が酸化しない窒素ガスを使用した切断が多く行われている。アルミニウム合金の切断では空気を使用することが多い。

参考文献

1)レーザ熱加工研究会WG:レーザ切断の現状と将来技術,レーザ熱加工研究会,p.15,(1996)

〈沼田 慎治 2012年改訂[設問修正]〉

このQ&Aの分類

レーザ切断

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特徴と切断法

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