接合・溶接技術Q&A / Q08-03-01

Q種々の抵抗溶接法が各分野で広く適用されていますが,適用用途に応じた使い分けを教えて下さい。

多くの溶接法では被溶接材の外部から熱を与えるのに対し,抵抗溶接は電流により被溶接材の抵抗発熱により内部から加熱する溶接法である。この原理から,抵抗溶接法には次の特徴がある。

① 電圧は低い(数V)が,大電流(数千~数万A)を流す。

② 大電流のため,給電電極は加圧される。

③ 電流の流れる部分は均等に発熱するので,接合部で最高となる温度勾配をつける必要がある。

このため給電電極間の間隔は短く,かつ短時間(10分の数秒~数秒)で溶接される。

代表的溶接法には,重ね継手のスポット溶接,プロジェクション溶接,シーム溶接,突合せ継手のフラッシュ溶接,アプセット溶接がある。これらの原理形態を図1に示す。スポット溶接は薄板の溶接に使用される。プロジェクション溶接は,スポット溶接に類似しているが,被溶接材の形状による電流集中を利用したものである。板厚差が大きくスポット溶接が困難な重ね継手に使われるが,板材以外にも丸棒の十字継手(クロスワイヤ溶接),板材とナットの溶接など多くのバリエーションで使われる。シーム溶接は,スポット溶接の電極を円盤状とした原理であり,連続溶接が可能である。

フラッシュ溶接とアプセット溶接は類似しているが,前者は短絡・アークの繰返しにより,端面を溶融飛散させながら被溶接材を加熱し,最終的にアプセットする。後者は被溶接材を最初から短絡させたまま抵抗発熱のみにより加熱するので,飛散物のない環境的にクリーンな溶接が可能であるが,より大きな電気容量を要する。

いずれの溶接法も加圧を伴なう短時間溶接であるため,位置決め以外に作業者の関与することが難しいため,自動車,家電製品のような多量生産型の製品に使われることが多い。また,短時間溶接を活かした専用機としてパイプライン溶接,鉄道レール溶接に大型のフラッシュ溶接が使われることもある。

〈樺沢 真事〉

このQ&Aの分類

抵抗溶接

このQ&Aのキーワード

適用用途と使い分け

Q&Aカテゴリ一一覧