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The Japan Welding Engineering Society

  

   

▼No.

Q08-04-01

 

▼小分類

拡散接合

 

▼キーワード

特徴

 

 溶接技術教育シート
  (IIWシラバス)
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拡散接合とはどのようなものですか。

  

  

新素材関係の接合の場合,溶かすとうまく接合できないので,低温度・低変形で接合する技術が必要である。1980年代の新素材ブームの際,新素材を製品化するのに,接合法の1つとして,拡散接合が注目された。

拡散接合する際は,図1に示すように,接合する材料同士を密着させ,真空や不活性ガス中などの制御された雰囲気中で,加圧・加熱する。本法は,接合面に生じる原子の拡散を利用して接合する方法である。

JISの定義1)では,「母材を密着させ,母材の融点以下の温度条件で,塑性変形をできるだけ生じない程度に加圧して,接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合する方法」となっている。

拡散接合では,接合の促進の目的で接合面間に金属を挟んで接合する場合がある。この金属をインサート金属と呼ぶ。図2に拡散接合の種類を示す。(b)のようにインサート金属が固相状態で接合する場合と,(c)のように溶融して接合する場合があり,前者を「固相拡散接合」,後者を「液相拡散接合」あるいはTLP接合(Transient Liquid Phase Diffusion Bonding)2)と呼んでいる。

図2の(a)に示すようにインサート金属を用いない拡散接合では,接合の進行とともに接合部の空隙が消失する。この手法は,チタン合金の接合など,同種金属の接合に用いられる。液相拡散接合では,インサート金属を一時的に溶融した後,拡散を利用して等温凝固させて接合する。本法では,接合面での清浄化と密着化が促進されることから,最初Ni基耐熱合金の接合に適用され,引き続き異種金属の接合,金属とセラミックスの接合等に適用されている。現在,液相拡散接合の適用例が多い。

拡散接合は固相接合の1種で,仲間には常温圧接,爆発圧接,摩擦圧接,超音波圧接などがある。すべての固相接合プロセスでは,接合時に接合面の皮膜を取り除きながら,同時に接合面を密着している。各接合法とも接合工程中に清浄化と密着化を同時に行っている。

拡散接合における清浄化過程および密着過程とも,「拡散」現象に起因し,拡散接合と呼ばれるゆえんもここにある。拡散現象で接合面の清浄化が困難な材料,例えばアルミニウムでは,拡散接合が難しい。

拡散接合の特徴は,①材料的に溶融溶接が極めて困難とされている金属や,異種金属の接合ができること,②面接合ができることで,この2つに要約でき,適用例にその特徴を見ることができる。


参考文献

1)日本工業規格:溶接用語Z-3001-1,(2008)

2)D.S.Duvall,W,A,Owczarski,D.F.Paulonis:W.J.53,203s,(1974)

〈大橋  修 / 2012年改訂[誤植]〉