接合・溶接技術Q&A / Q08-05-03

Qいろいろな材料が摩擦圧接できるようです。同種材と異種材では,当然,難しさは違うのでしょうね。

まず,摩擦圧接因子の働きについて簡単に示す。実際は,これらが複雑に作用するので,現在でも最適条件の決定方法はないようである。

●回転数(N):P1とで発熱に関わる。同一のP1のもとでは,Nが大きいほど摩擦面温度は上昇するといわれている。母材接合面の大きさとNで周速が計算できる。ある材料に対して適正周速範囲(回転数)が存在するようであるが,現在でも,最適周速は見極められていない。推奨値が示される材料は実用事例数が多い場合である。

●摩擦圧力(P1):Nとで発熱に関わる。同一のNのもとでは,P1が大きいほど摩擦面間の初期トルクが大きくなる。また,摩擦面温度は急激に上昇するといわれている。

●摩擦時間(T1):発熱を保持する時間である。NP1の組合せで,適宜,ある摩擦面温度が達成されるのに必要な時間であり,母材接合面の汚れをばりとして排出させる時間もになっている。T1の過不足は継手強度を左右する。

●アプセット圧力(P2):P1工程の後,急ブレーキで主軸を停止し,適当に軟らかくなった母材接合面間にP1と等しいか,それより大きなP2を掛けて摩擦圧接を完了させる。P1工程では母材接合面間は必ずしも密着してないので,不可欠の工程である。丁度,鍛接の作用に似ている。

●アプセット時間(T2):P2工程は,一般には短時間に押圧が完了し,後は同一圧力を単に保持しているだけのこともあり,摩擦圧接因子と数えない時がある。しかし,大径材や異材継手の時は,密着度を確保したり,合金層の排出の度合いの決め手として,それぞれ,P2の大きさとともに必要な因子になる。

一般的には,同種材の方が異種材よりも容易に摩擦圧接できる。摩擦圧接因子の働きで述べたように,一定のP1T1),Nで発熱させる。同種材では,例えば,炭素鋼同士の摩擦面温度は約1400℃前後といわれている。つまり溶融温度以下で左右対称にばりが発生する。それに対して,異種材(例えば,アルミニウム+銅)の場合は,NP1およびT1の組合せによっては,摩擦面が溶融温度に達することがあるといわれている。しかも材料の左右で溶融(軟化)温度が違うため,ばりが非対称に発生して継手形状にも注意が必要である。異材同士で摩擦面間に溶融が生じると合金層が生じ,また,金属間化合物が生成することがある。このように異材継手は,条件出しが難しいことが多いようである。

〈中原 征治〉

このQ&Aの分類

摩擦圧接

このQ&Aのキーワード

同種材と異種材

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