接合・溶接技術Q&A / Q08-06-08

Q超音波接合法の接合原理について教えて下さい。

超音波接合は,図11)のように,受け台(アンビル)の上で重ね合わせた同種あるいは異種の金属に対して,垂直方向の加圧力を与えながら,接合面に平行な超音波振動を印加して接合する方法である。接合面は,超音波振動によって互いに擦れ合い,酸化皮膜や付着物が取り除かれて清浄な金属面が露出し,加圧による塑性変形により固相状態で接合に至る。図21)は金属における接合過程を,接合界面の挙動に着目して示したものである。

一方,プラスチックに対しては1),金属と同じように,平行に振動を与える場合と,垂直に振動を印加する場合とがあり,特別の場合には,両方の振動成分を与える。薄物の接合では,平行な面内振動を用いる方が効果的な場合があるが,一般的に厚みのある物や成形品に対しては,接合面に垂直な縦振動を与える。プラスチック同士の場合には,接合面の摩擦や交番応力に基づく発熱によって溶融状態で接合される。振動の与え方と接合形態に違いのある金属接合とプラスチック接合であるが,超音波発生装置はほぼ同じものが使われる1)

参考文献

1)新版接合技術総覧編集委員会編:新版接合技術総覧,(株)産業技術サービスセンター,p.368,(1994)

〈辰巳 光正〉

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超音波接合法

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接合原理施工法:超音波接合法

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