接合・溶接技術Q&A / Q09-03-01

Qわが国における鉄筋突合せ継手の接合方法および年間の施工数量を教えて下さい。

現在,わが国で使用されている鉄筋の接合方法は,図1に示すように突合せ溶接継手,重ね継手および機械式継手の3形式に大区分される。直径16mm以下の細径鉄筋の場合は重ね継手で,直径19mm以上の中・太径の鉄筋の場合は突合せ溶接継手,あるいは機械式継手で行うのが一般的である。

突合せ継手方法としては,ガス圧接,アーク溶接,および機械式の3種類の継手で代表される。このうちガス圧接継手がもっとも多く用いられている。この方法は,図2に示すように,接合端面同士を突き合わせ,軸方向に圧縮力を加えながら,突き合わせ部分を酸素アセチレン炎で加熱し,接合端面を溶かすことなく,赤熱状態にて膨らませて接合する。ガス炎を使用するので大容量の電源が不要であり,機動性に富む(詳細はQ9-3-6参照)。

アーク溶接継手は,半自動エンクローズ溶接法が信頼性の高い方法として利用されている。この方法は,つなぎ合わせようとする2本の鉄筋に,所定の開先間隔と角度を守って,所定の治具を取り付けた後,半自動マグ溶接法によりエンクローズ溶接を行って鉄筋相互を接合する(詳細はQ9-3-7参照)。

機械式継手は,図3に示すように,鉄筋の接合部にセットしたカプラーやスリーブに応力を伝達することによって接合する方法である。接合のために特別な部品が必要となり,他の継手よりコスト高となる1)

次に,鉄筋突合せ継手の年間施工数量については,継手全体ではこの数年減少を続け,約8,000万箇所(1997年度)から6,000万箇所(2008年度)となった。

2008年度の継手方法別のシェアをみると,ガス圧接が71%,機械式継手が18%,そしてアーク溶接継手が11%となっている。ガス圧接がなお圧倒的なシェアを有するが,最近ではアーク溶接,機械式継手の伸びが顕著となっていく傾向にある。ちなみに,各継手の前年度(平成8年度)からの増減をみると,アーク溶接が約15%,機械式が約3%増加しいるのに対し,ガス圧接は約10%減少している。このようにアーク溶接等が増加の傾向にある理由としては,鉄筋工法の合理化,すなわち,鉄筋先組工法,プレキャスト工法の適用の増加と関連していると考えられる。

参考文献

1)(社)本鉄筋継手協会編:継手管理技士テキスト,pp.22-23

2) 同上,pp.17-18

〈原沢 秀明 / 2012年改訂[一部修正]〉

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突合せ継手

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接合法と施工量

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