接合・溶接技術Q&A / Q09-03-03

Q鉄筋の突合せ溶接継手の接合には,どのような溶接方法が使用されているのか教えて下さい。

鉄筋の突合せ溶接継手には,図1に示す種々の溶接方法が用いられている。これらの特徴と用途は,次のとおりである。

(1) 圧接継手

圧接は,接合部への機械的圧力を加えて接合する方法である。したがって,鉄筋の長さは短くなるが,継手強度は一般に安定している。

① ガス圧接継手

酸素・アセチレンガス炎で,接合部を1,200~1,300℃に加熱し,圧力(30~60MPa)を加えて接合する固相接合法である。電源を必要とせず,装置も比較的軽便のため,わが国で最も普及している現場鉄筋接合法であって,25mm前後の中径鉄筋の接合に好んで用いられている。

② フラッシュ溶接継手

鉄筋端面を短絡電流とアーク熱で加熱溶融後加圧し,接合する。本法は,高強度・太径鉄筋の溶接に適しており,現場接合にも使用されている。

最近,機器の小型化が進められ,中径鉄筋の現場圧接も容易になった1)

③ アプセット溶接継手

接合面を通電により抵抗加熱で昇温し,突合せ圧力を加えて接合する。細・中径鉄筋のフープやスターラップ材の工場溶接に,フラッシュ溶接とともに用いられている。

④ 摩擦圧接継手

接合部に回転摩擦熱を発生させ,軟化状態になったところで直ちに加圧接合する。ねじ式機械継手の部品接合に用いられている。

⑤ エレクトロスラグ圧接継手

鉄筋を電極としてエレクトロスラグ溶接し,溶融状態下で加圧接合する。中国で開発され,同国内で鉛直鉄筋の現場接合に使用されている2)

(2) 融接継手

鉄筋と溶接棒またはワイヤなどの溶加材とを融合させて溶接金属を作り,凝固させて接合する。機械的圧力は加えない。したがって,固定された鉄筋も接合できる。

① アーク溶接継手

突合せアーク溶接の主力は,マグ溶接継手である。特に半自動CO2エンクローズ溶接は鉄筋の先組工法あるいはプレキャストコンクリートの現場溶接などに使用されている。

また,被覆アーク溶接継手は突合せ継手,重ね継手および十字継手溶接に広く用いられている3)

② テルミット溶接継手

鋼管内充填方式継手の一種で,内側に凹凸のついた鋼製スリーブを鉄筋にはめ,その中にテルミット反応(Fe3O4+Al)による溶融鉄を注入し,充填材のせん断強度とスリーブの引張強度で力を伝達する継手である。本法は米国より導入され,高さ48mの高層RC住宅(1974年)において,主筋の接合に使用された。

(3) ろう接継手

鉄筋よりも融点の低い金属(純金属または合金)を溶融させ,それを接合部の狭い間隙中で凝固させて接合する

① アモルファス溶接継手

B(硼素)とNi系のアモルファス(非晶質)合金箔を接合面へ挿入して,電磁誘導コイルで加熱し,融点降下元素(B)の拡散現象を利用した液相拡散接合法である。施工上,継手の安全度を高めるために,加圧してふくらみを与えている4)

参考文献

1)藤井充,三井章雄,松田英治:可搬型異形棒鋼用フラッシュ溶接装置の開発,溶接学会全国大会講演概要,第63集254,pp.202-203,(1998.10)

2)沓名宗春,戸振洋:棒鋼のエレクトロスラグ圧接,溶接技術,No.7,pp.92-96,(1998)

3)高張力異形鉄筋アーク溶接研究委員会:鉄筋のアーク溶接設計施工指針・同解説,(社)鋼材倶楽部,(1967.7)

4)土木学会コンクリート委員会鉄筋のアモルファス接合調査研究小委員会:コンクリート・ライブラリー第77号,鉄筋のアモルファス接合継手設計・施工指針(案),(社)土木学会,(1994.2)

〈森  三郎〉

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突合せ継手

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