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The Japan Welding Engineering Society

  

   

▼No.

Q09-05-04

 

▼小分類

原子力配管

 

▼キーワード

水冷溶接

製品名:原子力配管

材質:ステンレス鋼

施工法:被覆アーク溶接,ティグ溶接

 

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原子力プラントのステンレス鋼管の補修溶接において,(水をかけながら溶接をする)水冷溶接を行うのはなぜですか。

  

  

ステンレス鋼管に通常の溶接を行うと,内表面に高い引張残留応力が発生する。高温純水環境における通常のステンレス鋼(SUS304,C=0.04~0.08%)の引張残留応力のある溶接部は図1に示すように材料,応力,環境の3要因が重畳した場合に粒界型応力腐食割れ(IGSCC)を発生する可能性がある。

このSCCは,上述の3つの要因の内の1つ以上を取り除くと防止できる。その対策の1つとして応力を引張応力から圧縮応力に変えることによりSCCを防止する方法がある。これには管内面から水冷溶接を行い,内表面を圧縮残留応力とするのも有効である。

その溶接方法は,厚肉配管の溶接において,最初の2~3層までは通常の溶接を行い,その後,管の内側に水冷ノズルを挿入し,その水冷ノズルから水を噴射しながら管の外部から通常の溶接を行うものである。その模式図を図2に示す。

通常溶接と水冷溶接における管内・外表面における残留応力分布例を図3に示す。

図3からわかるように,水冷溶接を行うと,溶接部の管内表面は圧縮残留応力が得られており,これによりIGSCCの発生は防止され得る。


参考文献

1)上田,中長,清水,大久保:水冷溶接による円周多層突合わせ溶接の残留応力とその生成機構,溶接学会誌,第52巻第2号,pp.90-96,(1983)

〈小林 正宏〉