接合・溶接技術Q&A / Q09-07-05

Q部片数が数百と多く,かつ形状が複雑で製品総重量が100トン以上の大型溶接構造物の製作において,溶接変形や歪みの発生防止等,溶接品質を確保し,かつ効果的に製作できる施工法のポイントを教えて下さい。

発電設備のような大型溶接構造物の場合,溶接量は採用している板厚や構造にもよるが重量比当たり約3~5%であり,重量100トンクラスで3000~5000kgの溶接材料を使用するので溶接による変形,歪み対策が必要である。

一般的に,組み立てた部片を溶接前にステー材で拘束するとともに,変形を観察しながら溶接順序を変える方法をとる。

溶接完了後は,残留応力を除去するため応力除去焼鈍を実施する。品質保証については,素材の入荷から製品完成まで一貫した品質管理が必要である。

同一形状の部品の組合せであれば,ブロック工法を行うのが一般的である。この加工方法は,各部品を単独で加工して,大きなブロックを造り全体組立てを行う方法である。ブロック工法を行うと,大きな製品も効率的に製作可能で,更に優れた品質,精度を確保することができる。

図1にブロック工法による加工フローと組立て状況の一例を示す。

材質的には,溶接構造用圧延鋼板や一般構造用圧延鋼板が一般的に使用されるが,用途上,Cr-Mo鋼を使用する場合には溶接時に予熱・後熱を必要とし,また,溶接後熱処理を行うため,ステー材には製品同等クラスの材質を使用し,かつ拘束を強固にする等の注意が必要である。

接合技術では厚板を採用した場合,溶接変形を少なくするため,また,溶接能率の点で狭開先溶接を採用すると効果的である。

また,構造は一般的に外部を除きほとんどが狭隘部の溶接作業となるため,溶接の自動化は困難であるが,ブロック工法の特色を活かし,部品段階では半量産的であることから,一部自動溶接により効果を出すことは可能である。

大型重量製品のハンドリングとして,円筒形状の場合,両端に回転ローラ用治具を取り付け,溶接姿勢が常に下向になるような考慮も必要である。

参考文献

1)新版接合技術総覧編集委員会編:新版 接合技術総覧,(株)産業技術サービスセンター,p.896,(1994)

〈石村 哲朗〉

このQ&Aの分類

水車発電機

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溶接施工法製品名:水車発電機,タービン発電機

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