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鉄骨のボックス柱の柱柱接合部の現場溶接において,ガスシールドアーク溶接の初層ビードにブローホールが発生しやすいのです。ブローホールの発生防止の対策について教えて下さい。 |
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ガスシールドアーク溶接は,ブローホールの発生がよく問題になる。発生原因の特性要因を図1に示す。質問の例では,図1のAの母材の表面状態とC溶接施工条件が最も関係するが,他に裏当て金とトッププレートとの密着状態も大きく影響する。現場溶接継手のある鉄骨は,工場から出荷後現地までの輸送時間があり,建て方後,溶接までに1週間以上は時間経過をしている場合が多い。この間に開先部が雨に濡れたり,汚れが付いたりする。建て方後は,ボックス柱や丸柱のような閉断面の裏当て金形式では特に,当該継手の上方で雨等の水分がトッププレート(孔を塞ぐ場合もあるが)から下の方の開先の裏側に伝わり落ち,また,鉄骨表面を伝わって開先内に入り錆を誘発し,あるいはほこりが溜まったりなどする(図2)。そのため錆の発生する機会が多い。溶接前にガス炎で開先内を加熱するが,ガス炎では加熱時に炎に先行して水分がかなり発生する。加熱を続けると温度が上がり,目で確認できる開先表面(裏当て金含む)では,水分は完全に蒸発してなくなるが,裏当て金とトッププレートの隙間では,錆と汚れおよび水分が完全に除去されているか否かは確認ができず作業者の勘で判断している。この加熱の程度が不十分であると,初層ビードにブローホールが発生することが多い。相当時間を掛けて加熱を続けることが必要である。 開先防錆を施している場合でもそれが溶接に無害とされているが,溶接に先だち,ガス炎で焼いて除去することがよい。 裏当て金とトッププレートの隙間が3mm程度以上空けると,ブローホール発生が少なく有効である5,6)。 現場では,建て方時にスペーサーを入れて隙間を設けてブローホール発生防止策とする場合もある。 また,裏当て金を止め,計画的にルート間隔を所定量(例えば4mm〜7mm)を設け,裏波を出す施工法(裏波溶接法)で成果を上げている例もある3,4)。 |
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参考文献 1)(社)日本建築学会:鉄骨工事技術指針・工場製作編,(社)日本建築学会,p.523,563,(1996) 2)(社)日本溶接協会 溶接棒部会:マグ・ミグ溶接の欠陥と防止対策,産報出版(株),pp.25−55,(1991) 3)森田耕治,福村正久,真喜志卓,西野直亮,高光男,中野大治,夏目光尋,広沢春雄:ボックス柱の現場溶接における裏当金省略工法の研究(その1),日本建築学会大会学術講演梗概集,21156,pp.871−872,(1988.10) 4)戸田一文,中川進,馬場弘,西之園芳憲,松崎博彦,原田三郎,寺坂拓亜,笠原基弘:ボックス柱の現場溶接における裏当金省略工法の研究(その2),日本建築学会大会学術講演梗概集,21157,pp.873−874,(1988.10) 5)柴田昭彦,関洋之,石島一彦,藤田,鵜飼邦夫,緑川功:ボックス柱現場溶接継手における裏当金改良工法(その1),日本建築学会大会学術講演梗概集,21652,pp.1237−1238,(1994.9) 6)後藤二郎,関洋之,石島一彦,柴田昭彦,鵜飼邦夫,緑川功:ボックス柱現場溶接継手における裏当金改良工法(その2),日本建築学会大会学術講演梗概集,21653,pp.1239−1240,(1994.9) |
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〈松本 正巳〉 |
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