接合・溶接技術Q&A / Q10-10-06

Q使用期間中,異材(オーステナイト系ステンレス鋼+Cr-Mo鋼)溶接部に発生した割れの補修溶接について教えて下さい。

使用温度400℃以下で溶接部に発生した割れは,溶接施工中に発生した微小割れ(高温割れ)が使用中に進展した場合が多い。この割れは,グラインダーで削除し,割れ感受性の低い溶接材料を使用して局部的に補修溶接する。

使用温度450℃以上で溶接部に発生した割れは,主として熱疲労割れである。オーステナイト系ステンレス鋼溶接材料を使用した場合,Cr-Mo鋼のCが溶接金属に移行し,Cr-Mo鋼HAZに脱炭層が生じる。さらにオーステナイト系ステンレス溶接金属とCr-Mo鋼との熱膨張係数の差により,繰返し加熱冷却をうけると脱炭層に熱疲労割れが発生する。この割れの補修溶接については,局部補修でなく,その部分をある長さにわたり切断除去し,新しい材料と取り替える方法を採用する。この材料は図1(a)に示すように,オーステナイト系ステンレス鋼とCr-Mo鋼をインコネル系溶接材料を使用して,工場で溶接して製作する。これを現地でオーステナイト系ステンレス鋼同士およびCr-Mo鋼同士で溶接する。また,図1(b)に示すようにオーステナイト系ステンレス鋼とCr-Mo鋼の間にインコネル系材料を用い,インコネル系溶接材料でそれぞれを溶接した材料を使用するとさらに良い。インコネル系溶接金属は,Cr-Mo鋼からのCの移行を阻止し,かつ熱膨張係数はCr-Mo鋼とほぼ同等であるために熱疲労割れを防止することができる。

参考文献

1)浜田:異種金属溶接のかんどころ,産報(株),pp.206-209

2)清水,池本:溶接技術,Vol.21,No.6,pp.45-56,(1973)

〈清水 茂樹〉

このQ&Aの分類

異材溶接

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割れ補修

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