接合・溶接技術Q&A / Q11-01-01

Qアークやレーザ,電子ビームなどの加工エネルギー源(熱源)の性質を表す指標としてよく用いられるパワー密度とエネルギー密度について教えて下さい。

アークやレーザ,電子ビームなどの熱源は,母材表面からエネルギー(熱)を注入する。図1に示すように,温度は単位質量の物質がもつエネルギーによって決定されるので,加熱部の温度は母材表面から上昇する。しかし,固体内では,熱は温度の高いところから低いところに向かって流れ(熱伝導),熱源から投入された熱は速やかに母材内部へと移動する。また,加熱部表面から,熱伝達や放射によっても熱は雰囲気に失われる。このため,母材加熱部が到達する温度は,熱源から与えられる熱量(入熱量)と熱伝導などによる熱損失との収支によって支配される。

熱源から母材表面の単位面積に単位時間当たりに流入する熱量(J/m2s=W/m2)をパワー密度もしくはエネルギー密度と呼ぶ(エネルギー密度は厳密には単位体積当たりの入熱量(J/m3)である)。

熱源のパワー密度が高ければ,加熱部の温度が上昇し,さらに相状態が変化する(固体→液体→気体)。液体になると,母材加熱部では流動することが可能となり,溶融金属の運動によって熱が運ばれる対流熱輸送が起こる。一般に,金属を溶融させるためには,107W/m2以上のパワー密度が必要とされ,さらに1010W/m2程度を超えると蒸発現象も顕著になってくる。

〈平田 好則〉

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エネルギー加工の基礎

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エネルギー密度

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