接合・溶接技術Q&A / Q11-01-05

Qレーザ加工において,材料表面における反射率は,その波長や材料,照射角などによって異なるとされていますが,どのように変化するのでしょうか。また,吸収率を高くするためにはどのような点に留意するべきでしょうか。

図1に,各種金属の反射率とレーザ波長の関係を示す。波長が短くなるに従い反射率が減少する傾向を示す。したがって,材料表面での吸収に関しては,波長の短い紫外域レーザが有利である。一方,反射率は材料の種類によっても変化する。これは電気伝導度に依存すると言われており,電気伝導度の増加に伴い反射率が大きくなる1)。図2には,レーザ光の入射角と吸収率の関係を示す(材料:鉄)。p偏光の場合,入射角の大きな領域において吸収率が急激に上昇し,ブリュースター角において最大値を持つ2)。したがって,大きな入射角で多重反射を繰り返せば,材料に有効にエネルギーが供給できる。材料の表面をブラスト処理等により粗面にしたり,ポーラスな物質を表面に付与すると,上記効果により吸収率を上げることができる。また,吸収率の高い物質(グラファイト等)を表面に塗布するのも効果的である。溶接の場合には,キーホール溶接を行うことにより,キーホール内での多重反射を繰り返すと,鉄鋼で熱効率を80%程度まで高くすることができる。

参考文献

1)宮本:第40回レーザ熱加工研究会論文集,レーザ熱加工研究会,pp.93-102,(1997)

2)F.Dausinger,et.al.:Proc.LAMP '92,High Temperature Society of Japan,Vol.1,pp.697-702,(1992)

〈塚本  進〉

このQ&Aの分類

レーザ熱源の性質と制御

このQ&Aのキーワード

材料表面の反射率,照射角

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