接合・溶接技術Q&A / Q11-01-06

Q現在,材料加工に利用されているレーザの種類と特徴,使い分けなどについて教えて下さい。また,加工用レーザとして具備すべき条件を挙げて下さい。

熱加工用レーザとして具備することが望ましい点を挙げると,以下のようになる。まず,レーザが高輝度であることが望ましい。これは,レーザの出力と集光性(集光スポットのサイズ)に依存する。また,レーザビームを光ファイバーで伝送できると,加工システムの自由度が増す。ミラーにより伝送する場合は,レーザの発散角が小さいことが望ましい。さらに,レーザ発振がCWから超短パルスまで,また波形制御も可能になれば,加工品質を制御するための自由度が増す。

表1に現在最も溶接に多く使われているCO2およびYAGレーザの特徴を示す。CO2レーザは,発振効率が比較的良く,大出力化が容易で,コストパーフォーマンスが高いことを特徴としており,切断,孔開け,溶接等に幅広く用いられている1)。反面,レーザの波長が長いため,材料表面での吸収率が低いこと,レーザ誘起プラズマ中でレーザが吸収されやすいこと,光学系が高価なこと等が欠点として挙げられる。一方,YAGレーザは,発振波長が短いため,ファイバー伝送が可能となる。また,上記したCO2レーザの欠点がかなり解消でき,マーキング,溶接,トリミング等に使われている1)。CO2レーザと比べると,発振効率が悪いこと,高出力になると集光性が劣ること,大出力化が容易ではないこと等が欠点であるが,LD励起レーザの開発により,これらの欠点がかなり解消されると期待できる2)。その他,紫外域に発振波長を持つエキシマレーザは,有機物やセラミックスのアブレーション加工に用いられる3)。また,COレーザによる切断4),ファイバー伝送の可能な大出力ヨウ素レーザの開発5)も進められている。短波長レーザでは,高い周波数と優れたビーム品質を持つ銅蒸気レーザや色素レーザによるアブレーション加工も注目されている6)

参考文献

1)宮本:Proc.IFLP '98,pp.4-11,(1998)

2)管ほか:Proc.IFLP '98,pp.68-73,(1998)

3)W.Staudt,et.al.:Proc.IFLP '98,pp.4-11,(1998)

4)高野ほか,(社)溶接学会 高エネルギービーム加工研究委員会資料,HEB-267-97,(1997)

5)桜井ほか:(社)溶接学会 高エネルギービーム加工研究委員会資料,HEB-267-97,(1997)

6)A.Glover,et.al.:Proc.ICALEO '93,(1993)

〈塚本  進〉

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レーザ熱源の性質と制御

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レーザの種類と特徴

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