接合・溶接技術Q&A / Q11-01-10

Q光学系レンズの焦点距離は,溶接や切断などの加工性能にどのような影響を及ぼすでしょうか。

CO2レーザ切断で,レンズの焦点距離を変化させた場合の軟鋼におけるドロスフリーの良質切断領域(曲線に囲まれた範囲)を図1に示す1)。一般に言われているように,薄板加工では集光径の小さな短焦点レンズ,厚板加工では焦点深度の深い長焦点レンズという傾向がよく表れている。したがって,十分なレーザ出力があっても,焦点距離の選択を誤ると,速く切断できなかったり,厚板がきれいに切断できなかったりするので注意を要する。また,切断幅(カーフ幅),切断面粗さなども変わってくる。

CO2レーザ溶接で板厚方向をあまり考慮しない薄板の溶接では,材料表面でのパワー密度が大きく影響する。図2に示すように集光レンズの焦点距離(63,125mm),形状(メニスカス,平凸),材質(ZnSe,GaAs)を変えた場合,集光径が小さく(パワー密度が高く)なるレンズの方が溶込み深さは深くなる2)

このように,レーザ切断や溶接では,焦点距離の設定により,集光状態が変わり,加工位置でのパワー密度も変化するので加工に大きな影響をおよぼす。

参考文献

1)Nishikawa,et al.:Proceedings of LAMP '92,High Temperature Society of Japan,pp.571-576,(1992)

2)Nishikawa,et al.:Proceedings of LAMP '87,High Temperature Society of Japan,pp.103-106,(1987)

〈西川 和一〉

このQ&Aの分類

レーザ熱源の性質と制御

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レンズの焦点距離

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