接合・溶接技術Q&A / Q11-03-04

Q交流アーク溶接において感電(電撃)防止のためにはどんな対策が必要でしょうか。

被覆アーク溶接棒を使用する交流アーク溶接では,一般的に溶接機の無負荷電圧が溶接休止中も出力されているので,その取扱いに注意が必要である。

まず,電撃防止のために(1)から(5)のように定められている法規制を守らなければならない。

(1) 狭あいな場所や2m以上の高所での交流アーク溶接作業には,労働省構造規格の認定を受けている自動電撃防止装置が付いた溶接機を使用しなければならない(安衛則 第332条)。

(2) 工事現場などの湿気の多い場所や,鉄板,鉄骨などの上で使用するときは,漏電による感電の危険を防止するために,溶接機の入力側に漏電遮断装置を接続しなければならない(安衛則 第333条)。

(3) 溶接電源の外箱,および母材または母材と電気的に接続された治具などには,電気安全の知識および技能を身につけ溶接機をよく理解した者が法規に従って接地工事(C種もしくはD種接地工事)を施工しなければならない(電気設備技術基準 第10条およびその解釈)。

(4) 溶接機を接続する配電箱(溶接機の入力側)には,適正な容量のヒューズ付開閉器かブレーカを,必ず溶接機1台毎に1台ずつ設置しなければならない。

(5) 溶接棒ホルダは,JIS C 9302に規定されている絶縁型ホルダを使用しなければならない。

さらに,次の事項を守ることが重要である。

(6) 水に濡れているホルダやトーチを使用してはならない。

(7) 被覆アーク溶接棒,ワイヤまたは電極棒を身体の露出部で触れてはならない。

(8) 溶接作業の開始前には,必ず溶接現場の安全点検,溶接機器の異常確認を励行すること。通電ケーブルなどの接続部の締め付けや絶縁を確保し,損傷したり導体がむき出しになったものは正しく補修した後使用すること。

(9) 乾いた作業衣,絶縁性の安全靴・保護手袋など,適正な保護具を着用すること。

(10)溶接作業をしばらく中断するときは,入力電源を切ること。

〈麻生  正 / 2012年改訂[字句修正]〉

このQ&Aの分類

安全・衛生

このQ&Aのキーワード

感電防止

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