接合・溶接技術Q&A / Q11-03-12

Q遮光めがねなどの遮光保護具の性能は,どのように保証されていますか。

遮光めがねなどの遮光保護の性能は,日本工業規格 JIS_T 8141(しゃ光保護具)によって保証されている。以下に,JISが規定する性能のうち,重要なものについて説明する。

(1) フィルタレンズおよびフィルタプレートの遮光能力

遮光能力は,遮光度番号で表される。遮光度番号は,視感(可視線)透過率が低くなる順に1.2から16までの19段階があり,遮光度番号毎に紫外透過率(最大),視感(可視線)透過率(最大・標準・最小),赤外透過率(最大)が規定されている。また,規格には,参考表として使用標準があり,使用標準の縦軸に遮光度番号,横軸に作業内容が示されているので,これを参考にして遮光度を選択すればよい。例えば,被覆アーク溶接作業の場合電流値が75~200Aの時に使用する遮光度番号は,9~11の範囲を使用すれば目に有害な放射を受けることは無い,と理解できる。アーク溶接・切断作業などの散乱光または側射光を受ける作業で使用する遮光度番号は,1.2~3の範囲を使用すればよいことになる。しゃ光度番号の選択に範囲を設けているのは,作業者の目に適切な遮光度を選択してもらうためと,作業場の照明に合わせて目に適切な遮光度を選択してもらうためである。

(2) フィルタレンズおよびフィルタプレートの光学的性能

遮光めがねなどの遮光保護具に使用するフィルタレンズやフィルタプレートは,一般に使用する屈折異常矯正用めがねのレンズと異なり,度が入っていたり,屈折があってはならない。平行度・屈折力に規定を定めて,屈折がないレンズであるように規定している。

(3) フィルタレンズの耐衝撃性能

遮光めがねのレンズは,有害放射から目を守る目的以外に,溶接作業などでスパッタや溶融金属片などが飛来してレンズを直撃しても簡単に破損しない強さを求めており,その性能は,1.27~1.30mの高さから,直径22mm,質量約45gの鋼球をレンズ面に自由落下させてもレンズが破損してはならない,と規定している。 溶接面に使用するフィルタプレートについては,その前面にカバープレートを装着して使用するのが一般的であり,また,目からフィルタプレートまでの距離が,めがねのレンズまでの距離と比較すると長いこともあってこの規定はない。ただし,安全性を高めるために,カバープレートはプラスチック製の破損しにくい製品を使用することをお勧めする。

(4) スペクタクル形遮光めがねの把持性能

レンズが枠から簡単に外れないように,完成品を枠のツル部分をバネで引いて,また,前枠中央部分に荷重を掛けて,レンズが簡単に外れないか,また,枠全体に破損はないかを試験する規定を設けている。

〈清水 一孝 / 2012年改訂[一部修正]〉

このQ&Aの分類

安全・衛生

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遮光めがね

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