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The Japan Welding Engineering Society

  

   

▼No.

Q11-03-13

 

▼小分類

安全・衛生

 

▼キーワード

アーク光の障害

 

 溶接技術教育シート
  (IIWシラバス)
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溶接時に発生するアーク光は,目や皮膚にどのような障害を引き起こしますか。

  

  

溶接アークは,目に見える光である可視光と,目に見えない光である紫外放射(紫外線)と赤外放射(赤外線)を発生する。その中で,特に,可視光と紫外放射が強く,問題となる。溶接アークの紫外放射が,実際に角結膜炎(紫外眼炎)と皮膚炎を引き起し,また,可視光が,青光障害と呼ばれる網膜障害を引き起こすことが知られている。

紫外眼炎は,特に,アーク溶接と関連して発生した場合には,電気性眼炎とも呼ばれる。実体は,雪目と同じものである。症状は,目の中がごろごろする,目が痛い,涙が出て止まらない,まぶしいなどである。日中に溶接アークの紫外放射へ暴露した場合,症状は,通常,その日の夕方以降に現れるが,翌朝までに自然に消える。

紫外放射による皮膚炎は,実体は,日焼けと同じものである。症状は,皮膚が赤くなる,水ぶくれが生じるなどである。こうした症状は,通常,暴露から数時間以降に現れるが,数日程度で自然に消える。重い場合に,後に表皮が剥け落ちる。

可視光による青光障害は,遮光保護具を用いず,裸眼で溶接アークを見つめた場合に発生する。症状は,視力が低下する,暗点(視野内の部分的に見えない領域)が生じるなどである。こうした症状は,暴露とほぼ同時に現れ,数週間から数カ月の間に徐々に良くなるが,最終的には消える場合と残る場合がある。光による障害としては,比較的重いといえる。

他に,溶接アークの紫外放射によって引き起こされる可能性のある障害として,白内障,皮膚癌,皮膚の老化がある。ただし,これらの遅発性障害が,アーク溶接と関連して発生しているとする報告はない。

溶接アークの光による障害について,表1にまとめる。


参考文献

1)奥野勉:産業医学レビュー,産業医学振興財団,Vol.4,No.4,pp.35-61,(1992)

〈奥野  勉〉