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アーク溶接作業の安全と衛生
(第7回)

(a) 紫外線

紫外線(UV : ultraviolet)は,波長の違いによる生物学的影響の違いも踏まえ,光の波長によりUVA(ultraviolet A : A領域紫外線、長波長紫外線 ; 波長320-400nm),UVB(ultraviolet B : B領域紫外線、中波長紫外線 ; 波長290-320nm),UVC(ultraviolet C : C領域紫外線、短波長紫外線 ; 波長 200-290nm)の3種類に分けられます。

紫外線は,目にきわめて吸収されやすく,強い紫外線にばく露されると角膜の表層部に障害を与えます。これは,電光性眼炎症として知られている症状で、被ばく条件によりますが,目に異物または砂が入った感じになり,涙が流れ,まぶたの痙攣(けいれん)などを伴った急性症状を呈します。

昼間会社での溶接作業中にばく露した場合,夜から深夜あるいは翌朝にかけて発症し,潜伏時間の関係で数時間後に現れる。このような症状は,通常,24時間程度持続し,通常,24〜48時間で自然治癒します。

一方,紫外線の照射を露出した皮膚に受けると,“日焼け”と同じような赤みを帯びた水腫れの症状となります。

紫外線の被曝による健康障害は,主として目,皮膚に対する傷害です(表8.1)。

表8.1 紫外線の波長による分類及び目、皮膚に対する傷害

波長域 波長(nm) 目の傷害 皮膚の障害
急性炎症 慢性炎症
UV-C 100〜280
UV-B 280〜315 紫外線眼炎 サーバーンメラニン新生
による二次黒化
皮膚内繊維の変性
皮膚老化への関与
皮膚がん発生への関与
UV-A 315〜400 青色光網膜傷害
紫外線眼炎
一次黒化
即時紅斑
真皮内繊維の変性
皮膚老化への関与
皮膚がん発生への関与

 

紫外線の人体に対する影響については,被曝の許容限界値がJIS Z 8812に記載されていて(表8.2),1日8時間を1期間として曝露を受ける場合の許容量が示されています。

表8.2 TLV*)と相対分光有害作用(JIS Z 8812)

波長(nm) TLV(J/m2) 相対分光有害作用
200
210
220
230
240
250
254
260
270
280
290
300
305
310
315
1000
400
250
160
100
70
60
46
30
34
47
100
500
2000
10000
0.03
0.075
0.12
0.19
0.30
0.43
0.5
0.65
1.0
0.88
0.64
0.30
0.06
0.015
0.003

注*)TLV:ACGIH(American Conference of Governmental Industrial Hygienists)の勧告値であり,この値は,1日(8時間)を1期間として,ばく露をうける場合の許容量である。


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