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水素切断について

日酸TANAKA株式会社 生産・技術本部 開発部
石井 幸二

小池酸素工業株式会社 機械事業部 開発部
古城  昭

1. はじめに

最近、鋼材の切断にプラズマ切断やレーザ切断が普及しているが、中厚板の切断方法ではガス切断によるところが大きい。一方、水素はクリーンエネルギとして着目されており、燃焼時に炭酸ガスを排出しない環境にやさしいガスとして、また自動車の動力源としての燃料電池として脚光を浴びている。その中で燃料ガスとして水素を用いたガス切断について、水素の供給及び機器、火炎、入熱、ピアシング及び切断性能、適用事例について説明する。

2. 水素の特性

通常、ガス切断の燃料ガスとしてプロパンを用いるのが一般的なので、水素の特徴的な基本物性をプロパンと比較したものを表1に示す。

表1 水素とプロパンの基本物性比較

プロパンと比較した水素の特徴を以下に示す。

  • ①空気より軽い ⇒ ガス漏れしても大気拡散する
  • ②燃焼速度が速い ⇒ 予熱炎が広がらず局所加熱が可能
  • ③燃焼に必要な酸素量が少ない ⇒ 酸素コスト低減
  • ④爆発限界下限値及び発火点が高い ⇒ プロパンよりも安全
  • ⑤ガス組成に炭素を含まない ⇒ 燃焼時に炭酸ガスが発生しない
  • ⑥発熱量が少い ⇒ 水素流量を増やす(プロパンを添加する)ことが必要


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