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軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接ワイヤ,
JIS Z 3312 および Z 3313 改正内容の解説

軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ,旧JIS Z 3312と低温用鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ,旧JIS Z 3325を統合し、2009年に軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用のマグ溶接およびミグ溶接ソリッドワイヤ,JIS Z 3312として改正された。その際、ISO 14341およびISO 16834を基に技術的内容が変更されている。

一方、軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用アーク溶接フラックス入りワイヤ,JIS Z 3313は、ISO 17632およびISO 18276を基に技術的内容を変更して2009年に改正された。

ここでは、軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接に限定して、JIS Z 3212およびJIS Z 3313の改正点について解説する。

1. 改正の背景

前報で記したごとく、国内規格(JIS)の国際規格(ISO)への整合化は、日本政府の基本方針である。国際標準は、製品の品質、性能,安全性、試験方法などに関する国際的な取決めを示したものであり、このJISの整合化は、国際市場における日本製品の円滑な経済取引を保証する手段として有効なものとなる。

2. 軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ(JIS Z 3312一部抜粋)

2.1 改正の主な要点

① ISO規格に整合させる。

② JIS Z 3312(軟鋼及び高張力鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ)およびJIS Z 3325(低温用鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ)をJIS Z 3312(軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用のマグ溶接およびミグ溶接ソリッドワイヤ)として統合。

③ ISO 14341,ISO 16834共にEU諸国の規格に基づくSystem Aと環太平洋地域の規格に基づくSystem Bで構成されている。JISではSystem Bに整合させている。

④ 旧規格でのYGW11〜19については、使用量が多く、一部には強制法令に引用されている点で、改正が混乱を生じさせる恐れがある。したがって、これらを日本特有の記号として残し、ISOに基づく記号との並立で、いずれかに分類できるようにしている。

⑤ 引張強さ、耐力の単位をN/mm2からMPaに変更。

⑥ 旧規格では1つのワイヤに対して、ワイヤの種類は1つに分類されるが、新規格では1つのワイヤでも、熱処理の有無、シールドガスの種類等の使用条件で機械的性質の異なる種類として分類してもよい。すなわち、1つのワイヤで複数の種類に分類できる。

⑦ YGW11とYGW15の耐力を高降伏点鋼の要求値に対応するため、390MPa以上から400MPa以上に変更。

 


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