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第10回

相談例29.溶接記号の表示

すみ肉溶接記号で、破線部に指示された記号の解釈が担当者間で分かれています(下図参照)。

矢が指している反対が、板厚の反対(ア)という意見と、破線の反対(イ)という意見とで分かれていますが、どちらを採用すべきかをお伺いします。

回答

溶接記号については、ISO規格と整合させてJIS Z 3021 「溶接記号」で規定されています。相談内容は、それに基づくことになります。JIS Z 3021の要点は、溶接管理技術者の研修会テキストに用いられている「新版溶接・接合技術入門」(溶接学会編、産報出版社発行)、及び「溶接・接合技術総論」(溶接学会・日本溶接協会編、産報出版社発行)に記載されています。

一例として、「新版溶接・接合技術入門」で説明します。P181の図3.5.1とP182の図3.5.2を確認ください。説明線(図3.5.1)は、「溶接する部分を指し示す矢と、水平な基線を書き、この基線に沿って溶接記号および寸法を記載する」とあります。更に、溶接記号および寸法(図3.5.2)は、「矢のある側(手前側)に溶接する時は、基線の下側に、矢の反対側(向こう側)に溶接する時は、基線の上側に記載する。」とあります。

また、JIS Z 3021:2000で.溶接部の記号表示方法に関し、「できる限り点線側には記号を付けない」とあります。即ち、溶接線の見える側に説明線(矢、基線)を書くことが示唆されています。

お尋ねの溶接記号指示は、溶接線の見えない底面(破線表示側)に記載されているので、担当者の解釈によっていろいろな意見を生む原因となったと考えられます。

溶接する箇所は、溶接記号の位置が基線の上か下かで判断し、基線の上なら矢の指している部分の反対側、基線の下なら手前側ですので、実形の「イ」となります。板厚は関係ありません。

したがって、溶接実形(A矢視)の「イ」を溶接する場合の溶接記号指示は、下(底)面図には記載せず、基本は正面図、また必要に応じ上面図、右側面図を用いて、簡明に表示することが望まれます。下記の回答説明図を参照して下さい。

回答説明図

 


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